異世界での調味料は高く売れそうです。
「お待たせしました。
これいくらくらいになりそうですか?」
先程買ってきた3つを見せつつ、説明をする。
「これが砂糖200g
これは塩200g
胡椒だけは20gですが、これそこそこ高値で売れると思うですけど、どうでしょう?」
そう言葉にすれば、全員がこちらを目玉が飛び出んばかりの表情で見つめる。
「ど、どうですか?」
何にも言われないと流石に不安になるのだけど、と、思いながらもう一度声をかけると、コナさんが震えたような手で商品を手に取りまじまじと見つめる。
「これが砂糖に、塩に、胡椒?
砂糖と塩はこの入れ物に入っていてもわかる精製度合い…こんな上質なのは貴族商品レベルですよ…。それがこんなに…。
貴族商品ともなれば50g1万ジェニーくらいは確実かと…
胡椒に関しては申し訳ないが、この入れ物から出してもらわないとわからないものの、相当な金額になると思います」
50g1万!?!?
200gだと4万!?100円が4万って…これはちょっと復興レベルとかじゃないんでは?
「ただ、ここまで凄いものだと大量にハルカスから流通させるとなると、流石に誤魔化す言い訳を考えないとなりませんが…。
何回かなら、こう行ったものをたまに行商から安く仕入れたり、偶然それこそ迷い人から購入したなどあるので大丈夫かと思いますが、特産としては流石に砂糖の木と呼ばれるものもこの町では育ちませんし、海もないので、流石にすぐは思いつきませんが、何か理由を作らないと周りから怪しまれてしまうかと」
なるほど…確かに。そんな簡単にはいかないか。確かに、物とかならともかく、元々この世界にあるものでしかも急に出来の良いものを流通させたら、ハルカスが違う意味で目立ってしまうもんなぁ。
「まあでも、今の話を聞くととりあえず当面の資金くらいは、この3つを上手く足がつかないくらい売りに出せば作れますよね?
ジンくん、とりあえずこれで一旦の資金は大丈夫って信じてもらえたかな?」
「も、勿論です…むしろ俺なんかが口出してすみませんでした…。」
「ううんむしろ、私も全然わからないから一緒にみんなで頑張ってきましょう。
とりあえずじゃあ、3万ジェニーお借りして、町の人のすぐに食べれる食事類を用意するので、皆さんはそれを配る準備とかしておいてもらいますか?」
そう言うと、皆一斉に目に輝かせてハイっと大声をあげる。
「あ、1人は一緒にスキル使用時に来て貰えると助かります。
運ぶのもそうですが、相談しながら商品選びたいので」
「では、ジンが行きなさい。
先程の無礼を謝罪する意味でもサクさんのお手伝いをさせてもらいなさい」
「はい!行ってきます!
サクさんよろしくお願いいたします」
そういって4人は準備に向かい、ジンくんと私だけがその場に残る。
無事かなり高く売れそうですが、流石に砂糖と塩と胡椒だけ売ってるだけで復興出来るほど甘くはないですね。