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異世界召喚について契約します。

「ちなみに聞きたいんですけど、これ私が承諾した場合今後あっちの世界ではどうなるんでしょうか?仕事は急に辞める形になるのかとか家族になんて説明すればいいのかとか色んな不安があるんですが…

こんな異世界の事なんて信じてはもらえないでしょうし…。というか、こういうのって向こうでは絶対厳守とかなのかな。


それとも、さっき言ってたみたいに、今後も向こうの世界での時間は全く経ってないとか、あちらにいる間は忘れているとかそういうパターンですか?」



それはそれで、ちょっと疲れそうだから嫌だな。こっちで1年過ごしてるのにあっちでは全く時間が経ってないとか、しかも1ヶ月いられるにしてもまた普通に仕事をこなしてこっちに戻ってくるってなんとなく大変そうなイメージである。いや、そもそも向こうに行ってる間は記憶ないとか?分からないことだらけだ。



「聖女さまや、勇者さまなどの召喚の場合はこの世界での使命を終えれば帰れますし、時間軸も元の世界の時間に戻るそうですが、今回はスキルでの召喚になり、尚且つ契約して頂くとになりますと時間軸は戻らず進んでしまいます。

ですが、基本的に契約によりそこはそちらの世界では都合の良い形になるので御安心ください」



深堀して話を聞くとなんでも、聖女や勇者召喚は王族による特殊な儀式らしく平民にはわからない色々な制約があるそうでその辺は文献にも載ってないそうだ。


そして、こういったスキルによる召喚もなくはないらしく文献に載っていたり、迷い人もたまにいてこの世界の歴史には異世界の文化についてまとまった本が数冊あったり、口頭で伝わってたりするらしい。


どおりで、何やら詳しいとは思ったけど、やっぱり小説やら漫画とは多少違うだなぁとポロっと零すと、なんとまあ、びっくりしたのが我々の世界での小説や漫画を描いたりしているのは多分記憶が消えた元勇者や聖女だったりするらしい。

なんでも魂には刻まれて朧気に残ったりするかららしく描きたくなるらしい。


だから、最近はある程度こっちに詳しい召喚者や迷い人も多く助かってるとか言っていた。



まあその辺の事実確認どうやってかとかは王族の秘密らしくて詳しくはわからないらしいが、その辺も簡単になら文献にのってるくらいの常識らしい。




「そういう事なら契約します。面白そうだし、正直個人的に元々転生ものとか召喚物も好きな方なので、1年に1回1ヶ月帰れるなら十分だし」



「本当ですか!?ありがとうございます…ありがとうございます…本当に…」


私が契約を承諾するや否や皆力が抜けたようにしゃがみ、涙ぐんでいた。


まあ、服やらパッと見た周りの様子やらで相当困窮しているんだろうなぁと思う。



木々も枯れているし、畑もくたびれた様子だし、私が助けになるならと思う。




「契約に関しまして、私のスキルを使わせて頂きます。こちらは貴方様にとっても我々にとっても絶対厳守される力も持ちますのでご安心ください。


我々は先程伝えたものになりますが、ほかにも何か追加事項がありましたら何なりと申してください」



コナさんに言われ、とりあえずコナさんのスキルを見せてもらいたいと言うと、契約書と羽根ペンが目の前に突如として浮かびあがりそこには先程言っていたものが文字として記載されていた。



「期限はありますか?」


「出来れば生涯契約が望ましいですが、そこはきっと直ぐにの決断はできないかとおもいますで、5年更新でいかがでしょうか?」


「そうですね、それでお願いします。

あと、週休は2日は絶対。労働時間は基本商品の受け渡しだけとありますがどんなに働いても最大8時間だけにしてください。あと、ミカンの商品についての売り方など色々相談は乗る代わりに私にも色々口出す権利を下さい」



「もちろんです、むしろありがたいくらいです。

こちらとしては異世界の商品はわからないものだらけですので、ぜひお願いしたいです。お休みや時間に関しましてもむしろそんなに働いて頂くつもりはありませんが記載させて頂きますね」



「あとは守護のスキルがあって安全とはいえ、この村?町の人たちには構いませんが、他の人達には私が異世界人とあまり知られたくありません。正直安全が守られると言われてますが、ゴタゴタに巻き込まれる可能性はつぶしておきたいので」



「承知致しました。その辺は箝口令では不安でしょうから私の契約で町の者にも内密にするように致します。元々召喚に関しても今現在知るものも少なく成功しても秘密にするつもりでしたのでこちらもありがたいです」



「あとは、私に嘘はつかないこと。そして皆仲良くやっていきたいです。

争いには巻き込まれたくないのでその辺は上手くやって頂けるとうれしいです」



「もちろんです!我々はぜひ末永く仲を深められたらと思います。現在戦争とかもなく、魔族、エルフ族、亜人族とも人間族はうまくやっておりますので御安心頂けたらと思います」



色んな種族がいる事をそこで初めて知り、口を挟みたくなるが一旦契約の方が大切なので後で聞こうと好奇心に蓋をして話を続ける。



「あとは最後に、今後私もコナさんも含めこの契約書に不満が出た場合は話し合い、お互いが納得できるように再考できる事にしてください」



「承知致しました。ではこちらで以上であればご確認後お名前をお教えいただけますか?」



そう言われて、契約書にはつらつらと新たな文章が書かれていてそれを確認してからー、



「確認致しました。

私の名前は百地 さくです。宜しくお願いいたします」




そう告げると、羽根ペンで契約書に私の名前が刻まれていく。


「サクさんですね。宜しくお願いいたします。

では、こちらに、私の魔力を流します。

そしてサクさんの魔力を流し終えれば契約は結ばれます」



魔力の流し方が分からないと言うと、魔力は血にも含まれているそうで私は血液を契約書に1適垂らすことになった。


コナさんが魔力を流すと契約書は光輝いた。



「こちらにお願い出来ますか?」



その言葉に頷き血液を垂らすと、その瞬間[契約完了]の文字が浮かび上がりコナさんと私の胸の辺りにその用紙が入っていくかのように消えていった。




とうとう契約完了です。

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