異世界召喚されましたが意外と快適そうです。
全員を先程の空間であるミカンにスキルを使って呼び説明をするとそれはもう、まじまじと商品を見たり手に取ったりして色んなことをひとしきり聞かれて答えるという作業をし30分。
「と、まあ、こんなスキルで個人的にはかなりつかえるなという印象だったのですがどうでしょうか?」
「完璧です。むしろ完璧以上といえるくらいに、もはや、こんなスキル見たことがない…いや異世界から召喚することさえ普通は数少ないのですが、こんなにも素晴らしいスキル見たことがなかったので興奮が止まりません。ちなみに、スキルの使用は代金支払いのみなのでしょうか?」
「はい、とりあえずそれ以外何かこれといった注釈はなかったですが」
何か変なのだろうかと思って聞くと、皆大体ちょっと面倒な作業というか使用に当たる制約がある事が多いらしい。
例えばジンくんの呼ぶ者は、ジン君の血で描かなければなからない模様があったり、コナさんの契約は誓約書という特別な用紙にお互いの魔力を通さなければならいなど多種多様な制約があり、それはレアになればなるほどそこそこ大変な作業になるそうで。
そう言えば最初魔術みたいだと思ったもんなぁあの模様。スキルでも簡単には普通いかないものなのか。
「やはり異世界からの召喚者だからでしょうね…では、契約の方の話をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」
そうだった、ここからが本番といえるくらいに緊張が走る。
「まず契約にあたり、我々が貴方様に望むのは今回見せて頂いたスキル ミカンでの商品の販売だけです。
商人の仕事も一切させません。
安全も守ります、お給金に関しましては申し訳無いのですが一旦まだ支払いが出来るほどのものがありませんが、我々が先程見させて頂いた素晴らしい物たちであればすぐにでもお支払い出来ると思います。
その際の割り当てとしまして、貴方様が7で我々が3
の配分をお願いしたくあります。
そしてその他の待遇としましては、まず移住先は見た目は廃れていますがそれでも中はそこそこ綺麗でありますのでこの城の1番良い部屋を。
衣食住につきましてもお給金が支払えるようになりましたら保証させて頂きます。
保護に関しては、こちらにいるカカの能力が保護となっておりましてカカの側…簡単に言いますとこの街にいる限りは絶対の安全を保証されます。ただしカカの能力には限りがあり、まず範囲、そして人数、一定期間の接触がふくまれますので1日1回どこでもよいのでカカに触れてください。
そして帰還について…多分これが1番貴方様にとって重要かと思いますが申し訳ないのですが、マルクの手を握って頂いでもよろしいでしょうか?」
帰還!?!?もしかして、帰れるのだろうか?そう言えばおじさんたちのスキルの中に帰還っていうのあったけど、そういう事なのだろうか、少し期待がでつつもコナさんの複雑そうな表情に、流石にそんな上手い話はないかなぁと思いながらマルクというこの中では1番年上そうなおじいちゃんの手を取る。
「では失礼致します。ヨキ、おまえも増幅を使ってくれ」
「私も失礼いたします」
そう言ってもう1人のおじさんも私とマルクさんの手の上に両手を乗せる。
「ヨキの増幅を持ちましても、暦が一回りに一回が限界ですね…時間も月の満ち干きの制限がついてしまうみたいですな…」
マルクさんはそうため息をつきながらそう告げる。
そうか…とコナさんも複雑そうにしながらも私に分かるように言葉にしてくれる。
「まず、先にヨキの能力は増幅で触れた他人のスキルを増幅させられます。
これは今回ジンがスキル使うときも使用したのですが、今回マルクの能力にも使用しております。
そしてこのマルクの能力は帰還というもので、自分も含め他人を故郷に一定期間帰還させることが可能な能力です。ただ、マルクの能力は近ければ近いほど多くの人数にも使えますが、遠い故郷に帰還させるとなると制限がつきます。例えば隣町程度の帰還でしたら、1日に何人も帰還させられますが、ここからかなり遠いエンドロフなどで帰還させるともなれば、1人帰還のスキルを使っただけでマルクは3ヶ月程誰にも能力を使えなくなります。
そして、帰還の能力には日数もつきものですが今までは制限はこちらで選べるはずでした。日数を決めなければならないという制約だと思っていましたが、違ったようで…貴方様を帰還させられるのが…暦が一回りと言うのは1年に1回だけということです…残念ですが、帰還日数も選べず月の満ち干きということは日数でいえば、30日程度になると思います。
こちらとしても最大限してもこの程度とは申し訳ないとしか言えませが、どうか、どうか、これで契約して頂けないでしょうか???」
え???
1年に1回1ヶ月も帰れるの?
もう一生帰れないんじゃないかとか思ってたのに比べたら全然良いし、待遇もむしろ働いてないくらいに等しいのにお給料もでそうだし悪くないぞ。
「ちなみにこれ断った場合どうなるんですか?」
「呼ぶ者のスキルが終了し、貴方様の元いた場所に戻ります。こちらの記憶は魂には刻まれますが、それは記憶というものに残る程ではなく夢を見たかな程度にしか残りませんので御安心ください」
え、まぢ?帰れるの?
あ、だから最初から話だけでもみたいな感じでめちゃくちゃ低姿勢に頼み込んでた訳だ。
なるほど、色々掴めてきたな。
異世界召喚とは思えないゆるさで進んでおります。
楽しで頂けたら光栄です。