異世界召喚されましたが意外と良いスキルでした。
「その契約ってどんなものなんですか?
私のスキルもどうやってみたらいいのかもわからないし…本当にこの町?村?救えるんですかね」
「ジンのスキルでそれは間違いないと思いますが、しかし、我々は貴方さまのスキルはわからないんです。スキルは基本的に自分でしかわかりません。
我々は成人を迎える日に寝ている間に授かりその間に使い方など理解しますが、異世界からの召喚者は1番最初両手を前にだし、スキルオープンと唱えれば開示されると文献に書いてありました。
多分にはなりますが、そうしますとスキルの説明などが頭に流れてきますので、まずはそれを試してみてください。そのあと契約についてお話しますか?」
なんだか異世界小説とか漫画あるあるな感じだなぁと思いながらスキルオープンと唱えると目の前が一瞬にして変わる。
「え?ここって」
一瞬で変わったはずなのに、変わったというより戻ったのと錯覚してしまう程、先程までいた私の職場先である[100円均 ミカン]である。
が、しかし、ここがスキルの中だというの理解できてしまうのはまるでそこは、うちのお店をくり抜いて異空間にもってきましたという入り口だったからだ。
[スキル名 100均 ミカンの販売者]
代金と引き換えに商品を売る事ができる。
店の商品は異世界の物であるため賞味期限はなくなる。
売り切れはないが、商品自体は異世界の物の反映のため販売商品が変わることはある。
店内に入れるのは販売者と、販売者が許可したもののみ。
店内を見回そうとすると、まるで文字が浮かんでいるように目の前に書かれていた。
「スキルがミカンの販売者!?
あ〜、あ〜、なるほどね…そうか、これは確かに私が呼ばれる訳なのか〜?いや〜もっとデパートの支配者とかいなかったのか!?いやそうなるとスキルが富豪とかになっちゃうのか?こういうの考えるとキリがなさそうだからやめるか。
でも、見た目は完全に店内なんだけどなぁ。
あ、休憩室もある?!」
ふと、目に入ったのは召喚前までいた休憩室(兼事務所)だった。
中に入るとそこもきちんと再現なのか、はたまた向こうのコピーなのかわからないがきちんとパソコンとディスクが置かれ、ソファーやロッカーから給湯場の冷蔵庫や棚にはコーヒーやらお菓子までそのまんまだった。
「これなら、私自身がここに籠ればとりあえず安全ってことじゃない?え?めっちゃ、最高のスキルだわこれ。あ、でもお金は稼がないと実際ミカンの商品は買えないのか。でも、そこはあのおじさんたちと前向きな交渉次第だし、とりあえず何とか生きてはいけそうだな…うん…」
なんだが、そんな独り言を呟いているとホッとしつつも冷静になってくる。
「もう帰れないのかなぁ…帰れる方法とかあるのかなぁ。異世界召喚って本当にあるんだなぁ。なんか小説や漫画の世界だと思ってたのに…しかもあるあるな雰囲気あるけど、どう考えても聖女とか柄じゃないと思ってたら、こんなスキルだし、おじさんたちめちゃくちゃ普通に説明されるしなんか、もうよくわからすぎるよ」
それでも、だからといって悲観するようなスキルではないし、むしろ私ならではすぎるし、最高のスキルだと思うので一旦死に急ぐ必要はない。
「とりあえずスキル…あれこれどうやって戻ればいいんだろう…聞き忘れたけど、オープンでこの現状なら閉じればいいんのかなぁ。
[スキル クローズ]」
とりあえず唱えてみれば、元のおじさんたちの前に戻る。
凄いご都合主義感はあるものの、異世界転生とか召喚系たくさん読んでてよかったなぁ。
なんか、とりあえず受け入れられてるのそのおかげな気もする。
「どうでしたか?どんな、スキルか伺っても?」
こういう時本来はこのおじさん達が敵とか、実はスキル盗まれてどん底から始まるとか物語もあったりするから少し警戒とかした方がいいのかなぁ。
いや、でも、もし盗られるなら最初から盗ってるだろうし説明もめちゃくちゃ丁寧だったし、なるようになるだろうからこのまま信じてみよう。
「とりあえず、見てもらった方が早いと思うので、全員お名前聞いてもいいですか?」
先程頭に流れてきたスキルの使い方も含まれていたので、このままおじさんたちを許可すればあの空間に連れて行けることも理解しているので、そうする事にしたのだ。
とりあえず、割と動揺しすぎない主人公ですが、スキルにはビックリしつつもら納得して尚且つだから自分かーってなっています。