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星の記憶
誰かが、手を取り合っている。
『ようやくだ。これで君は……の。さぁ……になろう、我が……』
印象的なのは清廉な白。でも、何だかぼやけていて分かりづらい。まるで水の中で目を開いているみたいだった。
星の煌めきのような白が視界いっぱいに広がっている。嗚呼、これ、わたしが見ている景色なんだって気付いた。
それにしても何だかふわふわして、眠いなぁ。
もっとよく確かめたいのに、迫ってくる微睡みに押されて、わたしの意識は霧みたいに儚く散っていく。
その最後の一飛沫。それが消える前に、白が、誰かがぐっと近付いて来た。息が掛かるくらいなのに、わたしはただ見ているだけ。
そうしてとうとう飛沫が溶けてなくなる、寸前。
突然の青が、わたしの視界を奪った気がしたーー。