第73死 クールでメラメラ
《フィーアウントフュンフツィヒ!》
「ひゃく+じゅうななっ!」
「19古参ナイト!」
全部合わせると……幾らかわからない程の黒い残党を殲滅したら。当然今度は影の軍団という名の増援が相手だ。
残党を狩り終えたとほぼ同時に大型ピラミッド型のモンスターハウ巣が突如出現──遥か天へと伸び。栄枯達は各々さらに討伐数を倍増させそれを相手に何十分とたたかいつづけていた。
「【UR】フィンガーバルカン」
十の指からばら撒き広がった緑色の炎弾がスライムジャグラーシューターⅦシャドウの身体を散々にブチ抜き燃やし葬っていく。
T字に伸ばしている黒く巨大な左腕に乗っていた厄介なジャグリング射撃部隊は激しく光を漏らし散っていった。
美しい長さの指先が焼けるほどの威力の跡をのこし、すぐさまジリジリひりひりと痛むソレを5本ずつガバッと舐めしゃぶりクールダウン。
ぼこ:5本指をガバッと舐めしゃぶるお姉さんは好きですか?
ぼこ:当然きら
ぼこ:↑チンキス
ぼこ:俺は豪快ですきかな
ぼこ:クールな長身お姉さんは豪快に指チュパするほど良いからな
ぼこ:命懸けだからね
ぼこ:てかまたチートパワーアップしとる
ぼこ:丘梨チート栄枯さんはそりゃカードの威力も主人公仕様よ
ぼこ:丘梨の謎のチートチカラはなんやねん
ぼこ:そんな描写なかったけどな
ぼこ:ガチでないからなんも言えねぇ!
ぼこ:たぶん体格かな
ぼこ:まぁ日本人ばなれしてはいる
ぼこ:パリ人も丘梨のスタイルには負けるよ
ぼこ:こののっぽ今までどこに潜んでたんやろな
ぼこ:栄枯は栄枯!
いちいち格好をつけている場合では無かった豪快に唾液で冷やし、また徐々にじょじょにハウ巣から増えてきている影の軍団を眺めていく。
「ひゅーなんかさらに凄まじくなってるが……無限湧きってやつだチート栄枯でもジリ貧だぞ!」
《出来ノ悪いシミュレションゲムのゾエン……!》
「ええ、ひじょうに来るなら先に伝えてほしいです、ええ!」
「それにこいつぁ、古参ナイト的に最悪だぜぇ!」
《インドのお城ロボット……!》
「インド人もびっくりの冒涜だろうな!」
「お城ではなくお墓です、どちらにしろ冒涜ですね」
ぼこ:お城じゃない
ぼこ:お墓じゃない
ぼこ:公共事業さぁ~
ぼこ:まずエジプト人に対して謝れ
ぼこ:↑スマーン・ハーン!
ぼこ:↑誰だよ
ぼこ:そもそもインドにピラミッドは無い
ぼこ:冒涜3人組
ぼこ:マ、死者掘り起こしてる時点で
ぼこ:↑チンキス・ハーン!
ぼこ:ハーンがエジプト人とかいう誤認
ぼこ:まぁハは多いから間違っちゃいない、知らんけど
ぼこ:ハーンハリーリ市場とかあるしな!
ぼこ:↑ねぇよ!
ぼこ:↑あるよ!
ぼこ:デタラメとAIとおまえらは疑え、栄枯です
ぼこ:全然ふざけてる場合じゃないんだけど!
ぼこ:死のダンジョンだからな!
聳え立つ見上げる程の高さを誇る黒いピラミッドロボット城は動かない。13の多脚を蜘蛛の脚のように伸ばしてしっかりと黒砂の上に安定し立ち、T字に真っ直ぐ伸ばした腕と頭部のピラミッド。
カラフル鮮やかなネオン光のように黒の全身にランダムな光を放ち、この黒い砂漠に賑わい圧倒的な存在感を示している。
地を走るシャドウウルフとシャドウサンドランナー。空を支配するシャドウサンドワームとシャドウボックススライムの大群。
「巻き込んでいるとは分かってい」
「おいおい栄枯そんなのは丘梨栄枯に要らないぜ!」
《栄枯、わたすはまだまだ逃げるにはハヤイよ》
何かネガティブなお願いを発しかけた栄枯を仲間たちは遮った。彼女の星色の瞳を見つめて突き刺さる明確で強い彼女とおなじいろのキラキラとした意志。
そんなナイト、金ポデの表情をみて栄枯は神妙さを黒い地へと捨て微笑んだ。
「ええ……ふふ、まだまだ切り札はべらぼぅに残っています、のど飴をのどに通すのは」
「ひゅー、もちろん勝ってからだぜ!」
《ホップの分も! 倒して集めないとだね!》
「ええ、アタックが作戦が失敗したわけでもありません! ここからです! ええ、ひじょうに!!」
次々と押し寄せて来る影と黒の大波にまた、3人は剣を構え、リーダーの丘梨栄枯と次に切るカード攻撃の組み立てを確認し合っている。あの遠方に聳え立つ巨大なハウ巣に届き破壊しうる攻撃が出来ない限りは何十分とたたかいつづけ雑魚を光へと還しても終わってはくれないと、推測結論付けられた。
微笑む、笑う、というよりはメラメラと燃えたぎる気迫。丘梨栄枯、クールでメラメラなお姉さん吐い信者は仲間と共に巨城の本格的攻略を開始する。
 




