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第69死 狙われてる

 護送した造雪機は指定のポイントへと到着し砂の天とつながりデータ解析を始め8割程が完了していた。その間に栄枯たちのハウ巣アタック作戦が成功した知らせもMMOで受けていた青年は、一層しっかりと後は自分がこなすだけと張り切り、近寄るモンスターをそのメインウェポンで葬りつづけていた。


 地上の敵には強固な盾と重いイチゲキをはなつ剣となり、人が飛べない空の敵にもその一瞬の白い刃をとどかせる。敵の勢いも減ってきている敵影が見えない程に、だが此処は護送のためはなれられない、これまでの奮闘もあり戦いの最中ではあるがそんな状況的に一息をつけるタイミングが来た。


 お気に入りのみずいろカッターシャツのボタンは4つ開けている。暑さも寒さも人は電子境界を超えても感じることが出来る。


 死のダンジョンに来ておかしくなった身体はこれだけホットプレートを振り回しても無事だ、青年は熱砂の上、滴る汗を拭い、精神をひとつ息を吐き──そよ風



 ひらりと何か、左手が受け取った風が運んだ一枚の黒紙。


 そこに写っていたのは砂漠の上にいる4人と造雪機。その上にLASTPIECEというにごった灰色文字。


 ソレを訝しむ表情が一層深まり──


「なんだこ」


 目を向けた一瞬、目を離した一瞬。チカっと、黒い筋が頬を掠めた。とどいた。


 突然の事態、前と後ろを反射的に確認すると、白い機体には黒い斑点が3つ。


 ダークガーネットの瞳がトマった時間の中で見つめる先は、ただの黒点ではなくただならぬ何かが膨張していくのが分かる。


 天と繋がっていたものはエネルギーを逆流させるように腹に吸い込み──爆発し一帯を不吉に彩る──広がったのは一瞬、砂漠に大袈裟に咲いた黒炎の球に構えたプレートもろとも呑み込まれた。




──MMO──

ホップ:スナイパー狙われてる


栄枯:スナイパー、どこですか? 耐えて反撃を、位置を割り出してくださいそちらに向かいます




「おい栄枯……アレ!」


「これは何が」


《広がっていってる! コチくるよ栄枯!》



 MMOにはその最後の通信。丘梨栄枯が目を見開き確認したが、造雪機の電子保護シールドは0パーセント……作戦は成功したが護送が失敗したのは明らかであり。それがあの黒エネルギーの球であることも。そしてMMOに彼の残量表示はなく存在すらも無い。


 あるのはその最後の状況が妄想できる──呼びかけに応えない通信だけであった。




ぼこ:え?


ぼこ:ん……?


ぼこ:え、なんなん


ぼこ:え、これ死んだ?


ぼこ:MMOにホトプレの表示がないらしい


ぼこ:黒い爆発で死んだっぽい


ぼこ:はぁ?


ぼこ:死亡フラグ立ててたからな


ぼこ:↑あちょっと黙ってて


ぼこ:スナイパー狙われてる


ぼこ:スナイパー狙われてる


ぼこ:スナイパー狙われてる


ぼこ:どういうことやねん!


ぼこ:スナイパーに狙われてるんやろ


ぼこ:いや意味わからんけどな


ぼこ:なんやこれ


ぼこ:てか爆発こっち来てるがな


ぼこ:これは不可能?


ぼこ:さすがに死んだっぽい


ぼこ:はぁ……?


ぼこ:チート無双しててそれはあり得ない


ぼこ:死のダンジョンだから


ぼこ:死のダンジョンなんてふざけてただけやけどな


ぼこ:さすがに意味不


ぼこ:さすがに不正


ぼこ:Oh黒く染まってくる


ぼこ:ガチで死んどる……?


ぼこ:スナイパーおるなら栄枯もやばい


ぼこ:突っ立ってたら死ぬぞ丘梨


ぼこ:とてつもなく意味不明にやばい


ぼこ:砂漠のスナイパーは無理ゲーはよ逃げろ


ぼこ:逃げに1票


ぼこ:逃げるべき


ぼこ:ホトプレ死んだってよ


ぼこ:ホトプレしんだってよ

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