第6死 丘梨栄枯(31)
周辺は女が快感に酔いしれながらエネルギーを無駄に使いきったURフィンガーバルカンにより一掃された。URフィンガーバルカンはカードへと戻らず知らずに失せていた、カードが1枚消費されたという事である。
心地の良い断末魔を浴び静まり返ったフィールド、栄枯は落ちているパックをよっこらしょと回収していった。
「はぁはぁふうー……レベルアップの快感はべらぼぅにやばいですね。はい回収しました、ええ、ラッキーにもありましたよウルフパック。ですが、ええ、私ある気付きを得ました」
「お湯がない、水がない、と」
▼有料暴走▼
24768ぼこ:しんぷるに馬鹿オンナ
24856ぼこ:丘梨栄枯(31)気付きを得る
24898ぼこ:↑やめなさい、固形カレーのルートートバッグに詰め引っさげてダンジョンで水もなしにカレー作る気まんまんの脳みそ自宅蛇口きぶん女(31)なんてこの世にはいない。
25000ぼこ:丘梨栄枯、ダンジョンを進めて泉かシャワーカードを探せ。このままでは干からびて野垂れ死ぬことになるぞ。
25005ぼこ:待てレベルアップ毎にキマってるのに突っ込め
「はい、ええ、25000ぼこさんまたあなたですかあなたの言う事は誠に一理あります。では、私丘梨栄枯、まだ死ぬには早いのでカラカラの喉のカラカラ砂漠状態ですがダンジョン攻略を進めて参ります。ちなみにお腹の方もべらぼぅです」
「あ、私分かりました」
黒のパッケージを開け、パパッとビリッと黒い膜を剥がす。現れた黒の固形をひとつ摘み。
じっと眺めたとおもったら、パクリ。
丘梨栄枯は、口の中へとソレを含んだ。
「ちゃぷちゅぷるるる、ん……あ、これ、べらぼぅに生き返るヤツです、ええ、ひじょうに……濃いです、べらぼぅの旨味チカラを感じます、完全食のど飴です、栄枯の喉が潤ってきました、コクと塩味がやばいですね濃い」
AIカメラは自動で判断し撮影している。
もごもごとブラックなルーを口内で転がしているその様子を。窄めたりぺろり舌をお茶目に舐めずったり口元をアップ撮影していく。艶めく桜色の唇は────。
▼有料暴走▼
25178ぼこ:だれだこいつに食レポさせたの
25222ぼこ:丘梨栄枯(31)固形ルーを舐めしゃぶる
25235ぼこ:聞いてくれっ!! ヤツは最初カレーを作るとドヤ顔で意気込んでいたんだ、ところがおれが少し目を離した隙に市販の固形ルーをバカみたいに舐めしゃぶっていたんだ
25331ぼこ:これが有料放送なら俺が塩舐めてても有料やろ
25407ぼこ:これ有料視聴の料理番組らしいな
25444ぼこ:全国の主婦が市販の固形ルーパッケージデスクトップに叩きつけるレベル
25525ぼこ:とっととカレー作れよ