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第66死 栄枯教

 雪原を抜け細道を抜けたらそこは────やけに広大だ。


 広がるのは、もう4人が分かっていたあの景色。熱い砂のステージを場違いな造雪機のキャタピラは狂いなく進んでいく。


 しかしここは死のダンジョン砂漠を無断で横断することは出来ない。


「ひゅー、おでましだぜ」 


《おいでまし!》


「出てきてますねっ……!」


「ええ、では、各々おもてなし! ひじょうに!」


 各々の判断で死のダンジョンのおもてなしに対しておもてなし。栄枯と目を合わせてすべてを了解した青年、頷き合った両者、栄枯は迷いなくブラックナイフを右手に敵モンスターへと突貫していった。




ぼこ:《おいでまし!》


ぼこ:おでまし!


ぼこ:かしまし!


ぼこ:くだらねぇ


ぼこ:↑チンキす


ぼこ:おもてなしよ~ん♡


ぼこ:うわ、丘梨栄枯っ


ぼこ:↑はいチンキス


ぼこ:いくわよ~ん


ぼこ:こいつら永遠とバトってんな


ぼこ:そりゃ永遠だからね


ぼこ:これもう死のダンジョンのブラック労働だろ


ぼこ:↑もうちょいなんかあったろ?


ぼこ:丘梨よりおもんないやつおるな


ぼこ:栄枯はおもしろいよ、ええ、ひじょうに


ぼこ:栄枯さん(31)の小ボケを絶対見逃さないおまえらなんなん


ぼこ:死鳥舎だからな


ぼこ:てかこいつらセックスするかホットプレートするかバトルするかしかしてないな


ぼこ:集中っ、死のダンジョンですよ、ええ!




 おもてなしはつづき激しさを増していく。後ろの警戒はホップ青年によりされており安心してリーダーの栄枯を中心にチカラを安定した発揮していく4人パーティー。見飽きた鹿を蹴散らし当然あると考えられるピラミッド型のモンスターハウ巣を手分けしながら探していく。




──MMO──


栄枯:大型のハウ巣を見つけました。では少し大きいですがこの前の繰り返しです金ポデさんナイトは私と。あなたはその子をお願いします、ね?


金ポデ:わかったよ栄枯、ホップダイジョブ?


ナイト:チート寵愛でも油断すんなよぉホップぅ


ホップ:ハイ!! 大丈夫です馬鹿正直に寄ってくる相手には負けません! 栄枯さん任せてください


ナイト:ひゅー、ホトプレぇどしたかっけぇじゃねぇか? チート過ぎて自信家にジョブチェンジか!


金ポデ:ホップ! この死のダンジョンで初期より変わったね? 今はかっこいいよ!


ホップ:えっといや、はは。なんか俺偶然だけどここに来れて本当に今は感謝してます、なんか……死のダンジョンで、このパーティーで脳が生まれ作り変わりました!


栄枯:ふふ、そのような雑談はここを切り抜けてからで十分です。それにここは……少々刺激が多すぎます、生まれ作り変わってもあなたはあなたです。死のダンジョンの吐い信者丘梨栄枯パーティーのあなたです。ではしっかりと守ってください、ええ、べらぼぅでひじょうに!


ホップ:……ハイ!!


金ポデ:《ハーーイ!!》


ナイト:いい返事だ、ひゅー!!




 MMOでの通信会話を終えた散り散りになっていた丘梨栄枯パーティーはマップを確認サンドランナーを蹴散らしながら栄枯の元へと3人となり、マップには護送対象の造雪機と青年1人のポイントが重なっている。




ぼこ:こいつらは何をしてる?


ぼこ:戦闘だぞ


ぼこ:MMO


ぼこ:栄枯パーティーの雑談


ぼこ:雑談にしちゃなんかやってたな


ぼこ:脳が生まれ作り変わる?


ぼこ:ちょっと何言ってるかわかんないすね


ぼこ:↑脳足りん!


ぼこ:死のダンジョンに来ればわかるよ


ぼこ:まぁ言わんとすることは分かる


ぼこ:死と隣合わせのダンジョンだ作り変わるさ人は


ぼこ:そんな描写なかったけどな


ぼこ:↑ホトプス!


ぼこ:不可能を可能にしたのもう忘れられる


ぼこ:丘梨と隣り合わせだと脳味噌作り変えられるわ


ぼこ:ホップ青年は栄枯教に入ってるからな


ぼこ:↑おまえもな


ぼこ:おまえらもな!


ぼこ:栄枯教とか勝手に名づけるな!


ぼこ:ええこきょう


ぼこ:↑うわぁおまえ丘梨栄枯っ!


ぼこ:↑チンキス!!


ぼこ:なにやってんだかこいつらは


ぼこ:てか死亡フラグにしか見えない


ぼこ:ホップ青年また死にたいらしいな


ぼこ:戦場でくっさい台詞残すやつはたいてい死ぬからな


ぼこ:死ぬのはナイトだけで十分!


ぼこ:だな


ぼこ:だな!(つよく)


ぼこ:おまえら無駄話が過ぎる!


ぼこ:死のダンジョンだからな


ぼこ:いやだれもしぬな

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