第33死 吐い信者丘梨栄枯パーティー
拠点メルヘン&ぐりーんに別れを告げ必要な荷物を持ち、トートバッグを引っ提げ本格的なダンジョン攻略を開始した。
▼第1死はじまりのダンジョン▼とぼこぼこチューブを通し何故か称されている死のダンジョンの入り口、その内部構造やモンスターはランダムであり同じものはおそらく存在しない。
死のダンジョン第1死、のダンジョン探索初心者のクリア率は65%であり手放しに楽であるとは言えない。運悪くモンスターハウ巣に入ってしまい死ぬ者や未知のダンジョン環境下で精神が壊れてしまう者、ただ単にダンジョン環境に適応し凶悪なモンスター達と向き合い剣を振るい動き戦えるそれだけでも探索者としての素晴らしい才能なのだ。
運が良いのか悪いのか閉じ込められた空間、戦闘は鮮やかな爆撃とともに始まった。
SR金平糖手榴弾は栄枯と金ポデ2人の手から投げ捨てられぞろぞろと姿を見せたターゲットにぶち当たり効果を発揮した。
雑魚は散らした。カラフル爆炎を斬り裂き、今度はこちらから仕掛けていく。
丘梨栄枯は臆せずブラック包丁を振るう、ウルフぐらいの動きならば彼女には既に朝飯前。仮に食らってもちっとやそっとじゃ死にはしない、冷静なイチゲキ一死のもとに光の粒へと返していく。
金ポデも負けてはいない、黒警棒を振るい叩き潰す突き刺す。死鳥舎様のぼこも彼女の大きな助けだ。
集となった3人は巣を見つけるために大部屋をモンスターを蹴散らしながら移動していく。
ブラック武器の性能があればヤレる、確かな計算があり栄枯も金ポデも襲いかかってくるモンスターに対し怯みはしない、返り討ちに次ぐ返り討ち、道を拓いてついに目視できたモンスターの巣、モンスターハウ巣。
こんもりと盛り上がった謎の土で固め出来た大きな巣、そこから一定の頻度でわき続けるモンスター達。無限にはわかないが囲まれる前に迅速な破壊が推奨される。
しかし、ここは死のダンジョン、モンスターハウ巣ただで壊れてくれる案山子ではない。当然巣を守る守護者がいる、防犯体制は万全空き巣ではないのだ。
AI栄枯:【ゲートキーパー・スライムジャグラーシューターⅣ】×2。死のダンジョンを彷徨う独り身のオークさんが寂しいからと始めたボックススライムのジャグリング。いつしか仲良くなった4匹はココロを通わせ絆を深め切っても切れない関係となり……。オークがジャグリングする3匹のボックススライムのオールレンジ射撃攻撃に注意してください、ええ、ひじょうに。
ぼこ:オーク、ジャグリングするってよ
ぼこ:あほみたいやな
ぼこ:名前のオークどこいった
ぼこ:モンスターはモンスターらしくあれ
ぼこ:死のダンジョン?
ぼこ:死のダンジョンさんはたまにふざけるからな
ぼこ:たまに?
ぼこ:エンターテイんメント!
ぼこ:まぁこいつクソ強いんだけどな
ぼこ:そういや俺の友達もこいつに殺されてたな
ぼこ:さらっと怖いこというなよ
ぼこ:死のダンジョンだからな!
ぼこ:てか仙人?
ぼこ:仙人なら後方よぉーー
GKスライムジャグラーシューターⅣは、ジャグリングを開始した。
その間にも駆けつけた増援のモンスターたちは栄枯たちへと襲いかかる。
「ええ、ここはカードを切るのですね、ええ、URフィンガーバルカン」
栄枯はパパッと秘蔵のカードを発動、前に構えた10の指から黄色いエネルギー弾を発射、広げバラバラと乱れ打ち広範囲射撃にさらされた雑魚モンスターたちは肉壁の役割を果たし光の粒へと還る。
綺麗になった場に残るは2体、栄枯は雑魚を一掃し金ポデに道をつくった。
2体のゲートキーパーそのうちの右の一体に狙いを絞り、既にカード使用クールタイムを見計らい発動していたSR身体能力1.1倍上昇とSRダブル斬りのカード。1分間の身体強化と、8秒間の一振りで二重斬撃を与えるダブル斬りの効果、死鳥舎が金ポデに指示した鉄板のインファイトカードコンボだ。
肉薄していく。だが、GKスライムジャグラーシューターⅣのオールレンジ攻撃は成された。
ジャグリングしていた計六のボックススライムはその立方体の色を徐々に黒紫に満たし、攻撃の合図。ふわり浮遊し接近した六は金ポデを囲み溜めた色エネルギーを放射、えげつない多方向からのビーム攻撃。
「URパーティーシルド、自・ホトプス!!」
金ポデの窮地にあり得ない謎チカラで瞬間移動し現れた彼、縦にしたホットプレートを器用に盾にしオールレンジ射撃を黒いプレート、その背、全身に直撃し受けターゲットにされた金ポデの身代わりとなった。
黒紫色のビーム爆炎につつまれ……もろに全てを受けてしまい思わず地に片膝をつくが、心配しおもわず後ろ目をした金ポデに対し大丈夫のピースサイン彼は無事だ。
AI栄枯:【URパーティーシルド】とは、自身の電子保護シールドの耐久性を5秒間強化し探索者メンバーの元へと一瞬で駆けつけることの出来る強力な防御型カードです。しかしこのカードは盾装備を持ち今現在装備しているとみなされたものにしか使用出来ないルールがあり、使用者が限られているのが欠点ですね、ええ、ひじょうに。
【自・ホトプス】青年モブのみが使うことを許されたスキル。自分の体にメインウェポンのホットプレートのプラグを突き刺し接続する事により自身の電子保護シールドをそこそこ強化、更に、周囲半径45cm以内の味方に向けられた射撃系の攻撃をその低温ホットプレートのもとへと捻じ曲げ集める事ができる、ええ、ひじょうにお馬鹿なスキルですね、ええ、ひじょうに。
ぼこ:くっそながい!
ぼこ:誰もやってないカードゲームみたい
ぼこ:ホトプレ専用カードとか都合良すぎやろ
ぼこ:へぇーホトプレって盾だったんだ
ぼこ:ホトプス
ぼこ:ホトプス!
ぼこ:死のダンジョンあたまわるいな!
ぼこ:なんやねんそれ!
ぼこ:肉やきモブがそんな効果持つな!
ぼこ:これは抗議ですよ、ええ、ひじょうに
ぼこ:散々な言われようには笑う
ぼこ:ちょっとホームセンターで盾買ってくる
ぼこ:ホットプレートは盾じゃない!




