第28死 みんなのシルファンカレー
バーベキュー皿のライスの上にかけられていく栄枯特製具なしカレー。大きくゴツい木のお玉で惜しみなく豪快に。
「あ、ありがとうございます……」
青年の両手へと今しっかりと器は手渡されていった。
「はいどうぞ。ではまずは肉は取らずにシンプルなシルファンカレーライスを食べてみてください、ふふ」
吐い信者丘梨栄枯の心遣い、パーティー死鳥舎様の一人一人の皿にカレーをよそっていったのであった。
ぼこ:こいつなんや?
ぼこ:カレー奉行栄枯
ぼこ:こいつの独裁っぷりはなんなんやろな
ぼこ:うるせぇ、カレーチュートリアルだから!
ぼこ:栄枯のカレーを食すのには取説がいるからな
ぼこ:まずはシンプル!
ぼこ:製作者の意向だしたがえ。嫌なら自分でつくれ!
ぼこ:さすが栄枯
ぼこ:栄枯によそってもらえるなんて贅沢ですわね
ぼこ:肉なんて飾りですよ、カレー素人にはそれがわからんのです
一斉にスプーンを口に運んだ。
「こ、これ……!?」
「なんじゃと!?」
「……!?」
「これはええ、ひじょうに……べらぼぅに……」
「「「美味い!!!!」」」「ンーー!!!!」
ぼこ:は!?
ぼこ:談合か!?
ぼこ:ヤラセ!?
ぼこ:美味い!!!!
ぼこ:↑ンーー!!!!
ぼこ:まさかの全会一致
ぼこ:なんとーーーー!!
ぼこ:老若男女美味い
ぼこ:笑った
ぼこ:んなわけ!?
ぼこ:これには今か今かと叩こうとしてた俺唖然
ぼこ:シルファンカレーですよ。
ぼこ:ダンジョンだからな
ぼこ:シルファンカレーだからな
「めちゃくちゃ旨味がすごいですねこれ……俺こんな、なんだろ……こんなカレーはじめてですよ……! うわこれ……ほんとなんか……叶ってます!」
「ワシも人生で何千皿かのぅここまで辛味とマッチし何より旨味に満ちたカレーははじめてじゃわい栄枯よ、市販とはおもえんのぅ」
「ンーー~~★♪」
喜びに目を絞るような満面の笑み、何度も左手でOKマークを栄枯に向け出して揺らしている金ポデ。
「…………これは……ふふ、ありがとうございます! あえて味見はしませんでした、私はシルファンを信じそしてシルファンは本来以上の実力をこの死のダンジョンという厳しい環境下で発揮したに過ぎません! これは私の……いえ、みんなのシルファンカレーです、ええ、ひじょうに!!」
「……さぁ、まだまだシルファンはたくさんあります、パパッとどんどん最高の状態のうちに攻略して行きましょう!! ……シルファンカレーマルチプレイ開始!!」
「開始!!」「開始じゃ」「ンー!!」
木製の手作りスプーンを天にかかげた各々。ブルーシートの上で胡座を組みひとつのホットプレート料理を囲み攻略していく。吐い信者丘梨栄枯と3人、4人の絆が現在進行形で深まっていくのがわかる。死のダンジョンのシルファンカレーは絶品最強なのであった。
ぼこ:だってよ。
ぼこ:へぇー
ぼこ:ダンジョンだからな
ぼこ:ダンジョンで頭バグったのかもな
ぼこ:まぁダンジョンで食う市販カレーは格別やろな
ぼこ:空腹は最高のスパイス
ぼこ:さすが栄枯
ぼこ:ホトプレが何事もなかったかのように元気になるぐらいには美味いんやろ
ぼこ:ホトプレ叶う
ぼこ:色々と叶ったんやろなぁ
ぼこ:まぁお湯にルー溶かしただけなんだけど
ぼこ:てか地味に何言ってるか意味不明なんだが
ぼこ:マルチプレイ開始!!
ぼこ:↑ホットプレート料理がマルチプレイなのは間違ってはないな
ぼこ:そりゃあんだけ煮込んでたら美味いわ!
ぼこ:↑ん?
ぼこ:栄枯ちゃんのラヴが詰まってる!
ぼこ:栄枯ママが作るカレーはセカイイチ
ぼこ:結局日本人はカレーなのよ
ぼこ:人類カレー説
ぼこ:カレーは人の結束力を高める
ぼこ:泣いた
ぼこ:旨味!
ぼこ:栄枯ママ特製だからな
ぼこ:死のダンジョンで食うシルファンカレーは美味い




