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第27死 だが丘梨栄枯には知恵がある。

 低温ホットプレートの上、吐い信者丘梨栄枯の胸にあたため秘めていた世界は展開され温められていく。


 カレープレートを囲むパーティーの3人もこれには。


「これは……」


「これは愉快じゃな栄枯よ」


「…………!!」


 あまりにも豪勢かつダイナミックな一皿、金ポデのエメラルドの瞳がパッと見開き輝いた。両手を広げる異国人特有の全力リアクションだ。


「ふふ死鳥舎のみなさんお手伝いお疲れ様です、ええ、では、とっととパパッと新鮮でお熱い最高の内にいただきましょうシルファンカレーダンジョンスタイルを!」


「いただきま」


「あのこれ」


「なんですか?」


「どうやって食べれば……?」


「ダンジョンあるあるじゃのぅ」


「……ふふ、あなた保温しときなさい」


 じゅーじゅーと弾ける脂の音と白くけむり香るスパイス、プレートを囲んだ3人は総料理長である丘梨栄枯の瞳をじっと見つめている。




ぼこ:でしょうね。


ぼこ:丘梨運転平常運転


ぼこ:栄枯はひとつのことしか考えられんからな


ぼこ:はい


ぼこ:ダンジョンにスプーンはない


ぼこ:ダンジョンに箸はない


ぼこ:さすがの栄枯も低温ホットプレートを手づかみはできないからね


ぼこ:口内固形ルー飯の弊害


ぼこ:急に文明レベル上がったからな


ぼこ:栄枯、おあずけ!


ぼこ:栄枯、お手!


ぼこ:保温できるからァ!


ぼこ:丘梨栄枯詰む


ぼこ:ダンジョンあるあるじゃからな


ぼこ:ダンジョンあるあるならしゃーないな


ぼこ:ダンジョンだからな




AI栄枯:ダンジョンには箸やスプーンがない……だが丘梨栄枯には知恵がある。それから彼女は仙人、ホトプレ、金ポデたちがあたたかい目で見守るなか熟考……………………脳天へと電撃が降りる! あることをひらめきブラックな包丁を片手にパーティーのリーダー、吐い信者として! 現状からの挽回をはかった。




ぼこ:なぁ……


ぼこ:ダンジョンだからな




 丘梨栄枯はそう、ひらめいた。


 ギシギシギコギコスパンスパンと、ブラック武器の斬れ味威力により粗悪なベッドはテンポよく解体されていく。ベッドに使用されている木板はパーティーメンバーの手によりおおまかに加工されていき。


 出来上がった大きく丈夫な木のスプーンと削り上げた箸。ささくれで怪我をしてはいけない、と仙人が泉の水で湿らせたベッドシーツでスプーンを拭き磨き上げつつブラック果物ナイフでバリをとっていきなめらかに再加工。


 出来上がったのはダンジョン環境にて最高のなめらか木製スプーンと最高のとんがった箸。栄枯の指示の下、人数分抜かりはない。


「さぁ、みんな今度こそ抜かりはありませんね、では、今度こそ!! じゅる……とっととパパッと新鮮でお熱い最高の内にいただきましょうシルファンカレーダンジョンスタイルを!」


「は、はいおう……!」


「いただけるかのぅ」


「…………!!」


 木製の大きなスプーン、四方から突き出し合わせ交わり重なる4つの彼女ら彼らだけのパーティースプーン。


 かん、と乾いた音が響き合い実食の時。


 ふひぃぃじゅりぃぅぃ……桜色の唇から滴り落ちそうになった汁を親指の付け根で拭っていった。




ぼこ:さすが栄枯あたまいい!


ぼこ:粗悪なベッドはスプーン箸じゃない


ぼこ:粗悪なベッドはスプーン箸じゃからな


ぼこ:粗悪なベッドのフル活用


ぼこ:粗悪なベッドの錬金術師、丘梨栄枯


ぼこ:粗悪なベッドだからな


ぼこ:粗悪なベッドとかいう万能カード


ぼこ:逆に何ができない


ぼこ:普通なベッド「あの……俺もいるんですけど……」


ぼこ:↑粗悪なベッド「肉塊を保存する覚悟はあるか?」


ぼこ:へぇー粗悪なベッドってなんでも出来るんだ


ぼこ:死のダンジョンだからね


ぼこ:そりゃ死のダンジョンに粗悪なベッドあったらチートだわ


ぼこ:戦闘にも使えるしな


ぼこ:粗悪とは思えない活躍っぷり


ぼこ:死のダンジョン運営痛恨の調整ミス


ぼこ:さぁ、カレーだ!

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