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第196死 一気攻略!雨雷襲来!黒い塔!

▼6S GODPARTY▼



「あの恐竜さんのような小賢しいのはここまでいませんでしたね……バランスを間違えたのでしょうか、ふふ」


 100の砂鹿のモンスターを討ち熱砂のステージを悠々とクリアした丘梨栄枯は砂の山からじりじりと現れた黒いエレベーターに乗り込んだ。



 2Sのデスラプトル達とのアレンジ頭と身体を駆使した熱戦がウソのように──、ここ6Sまですんなりとモンスターを蹴散らしながら一気攻略して来た丘梨栄枯。


 微妙に乾いた喉、マメな彼女は思い立ち行動、こまめなエネルギーの補給は大事だ。トートバッグから取り出したアップルアップルジュースでひんやりと喉を満たし水分を補給しながら────エレベーターは上昇。


「ぷふぅ……ダンジョンというよりは断片でしょうか、ええ」


 ぷふぅと……無言。


 レスポンスの無い鉄の籠は上昇していく。







 エレベーターを降りて慣れたルーティン。ヤルべき事といえばもう慣れたこのモンスター駆除のクエスト。


 既にカラフルに激しく交戦中──



▼7S GODPARTY▼



「今度は金平糖を投げるイカしたイカさんですか、イカれてますね、ええッ!」



 イカした純白ドレスの大王イカとの交戦、慣れない足場の巨大な蓮の葉の上をリズムよく金平糖の爆撃を避けながら跳躍躍動する。


 海を走りカゼとゲソを斬る────、ハードな道を選んでしまったのかもしれない、だが丘梨栄枯となった彼女はこのエンターテイんメントの攻略に勤しみながら白い歯を見せた。




▼▼▼

▽▽▽




 風を切る──搭乗するカーゴから後ろに投げ捨てたトンカチはくるくると──迫る白黒斑模様フライングウツボの大口に呑まれていった。


 なおも追いつこうと迫るウツボに対して白衣の女は翳した両手からピンクの鍵をばら撒き、ロック。その大口を開けることを禁じ口を閉じさせて、


 再度襲ったトンカチが脳天を痛烈に割り飛ぶウツボは地に腹を擦り失速していった。


「おいおい私よりか弱いとは話にならないぞ弟くん! そんなトンカチでモンスターがヤレるかっ非戦闘員の女研究者は男に守られるべきだろう!」


「僕のスキルはぼこがないと使えないんだから仕方がないだろ! それに女も男もここ電世じゃ強さはチグハグだスキルをもってれば分かってるだろ! ははははは姉さんたのんだよしっかり! たった一人の弟は守られるべきだろう!」


 前からやってきた白斑のウツボは風の刃にその身を縦に開かれて──瞬間その間を乗り物が通り抜けて──滅、前部座席でかわったハンドルを握り事務局長は運転しながら邪魔な障害をスキル行使で排除していく。


「全くあっちの弟の方が役に立ったのかもしれませんよ! 何故こうもッ……ウツボが地を這わず飛ぶというのですか!」


「なんだそれ!? さっきから可笑しいぞ姉さん! しかし姉さんのスキルはなかなかすごいな、そらよっ! ──はははははははカラフルエンターテイんメント!」


「──ッ──のわっ……いきなり投げるなよ弟! あははは! だからこの調子の私は戦士としてはたたかえないぞ、事務局長ちゃんと守ってくれたまえ! スカイハイを目指さず集まっていた使える探索者が分散し出払っていたのはキミのミスなんだからな、あはっは!」


「チッ! 過ぎたことですッ明智マリアあなたもカードを使って援護なさい! 何もしないのであれば男も女も向かう先は死です!」



 後部座席の弟が後方に捨て去った金平糖は、追っ手の宙を這う虫蛇ウツボをまとめてカラフルに染め上げて──


 狗雨雷叢雲、雷亜、明智マリア。黒い塔へと向けて出発した道中は予想外に険しく、後ろの軍勢に引き返すことも……追っ手を巻き突破するのみ、奇しくもこの状況は死のダンジョンを攻略する探索者パーティーのようであり。


 悪天候などもはや露ほど気にするところでもない。風と雨に打たれて雷轟く道を切り裂いて────


 DODOトップ、ぼこぼこチューブの創始者、電境技術研究者、奇妙な組み合わせの3人と諸々の機材を乗せた爽やかなアイスブルー色の中型カーゴはスピードと熱量を上げ堺市の街路迷宮を駆け抜けていく。

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