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僕はトンビ

作者: 鈴木道草

 池のほとりでトンビの子とアヒルの子が雑談をしていました。

 トンビの子が言いました。

「世の中、景気が悪いみたいだな・・・」

 アヒルの子が言いました。

「100年に1度の大不況って言われてるからね」

「大学生も就職の内定が貰えなくて苦労してるらしいぞ」

 トンビの子は将来が心配になりました。

 アヒルの子が言いました。

「トンビ君、心配することは無いよ」

「どうしてだい?」

「君の親はトンビかもしれないけど、君は鷹かもしれないじゃないか」

「僕が鷹だって?!」

「そうとも、ほら、その爪を隠す癖が君の有能さを物語っているよ」

「そうかあ!僕は鷹だったんだ!」

 トンビの子は大喜びです。ところがアヒルの子は急に落ち込んで言いました。

「それに比べて僕は、こんなに醜くて・・・」

「まちなよアヒル君」

「なんだい?」

「君はアヒルにしては醜くすぎるよ」

「ええ?どういうこと?」

「ひょっとして君は、白鳥の子なんじゃないか?」

「僕が白鳥の子だって?」

「そうとも!きっと大人になったら綺麗な羽に生え変わって白鳥になるんだよ!」

「そうかあ!僕は白鳥になるのか!」

 2羽はしばらく将来について盛り上がりました。

 そこに池の中から声がしました。

「君たちはいいな・・・。夢があって・・・」

 トンビの子が言いました。

「そこにいるのは誰だい?」

 池の中の声が言いました。

「僕の親なんて、蛙だもの・・・」

 アヒルの子が言いました。

「そうかあ・・・。蛙の子は蛙だものな・・・」

 トンビの子が言いました。

「何を言っているんだいアヒル君、蛙の子はおたまじゃくしだよ!」

 アヒルの子が言いました。

「トンビ君、もしかしたら君はタカじゃなくてバカかも・・・」

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