街屋果物商店
(さて、じゃあ早速この店から攻めようかな)
今日、小奈がやって来たのは「街屋果実商店」の店内にあるカフェ。
この果物屋では、表は色鮮やかな果物を販売し、裏ではそれらを使ったフルーツ・ジュースなどを提供しているが、小奈の今日のお目当てはかき氷である。
バイトのハタチ前後の女性が出迎えてくれる。
「お客様、二名様ですね?」
「いえ、一人です」
後ろをくっついてきたプリオが何か喚いているが、小奈は小さな丸机に案内された。
店内は落ち着いた白の壁に、白木で出来た上品な倚子とテーブル。
小奈はメニューを眺めて、店員を呼んだ。
「シャインマスカットのかき氷で」
「はい、かしこまりました」
「あ、じゃあ僕もそれでー」
若干離れた場所から、プリオが体を半分捻って言った。
しばらくして、かき氷が運ばれてくる。
小奈はまずスマホでそれを撮ってから、スプーンを手に取りかき氷の山を崩した。
緑色のソースが白銀の氷に流れ込む。
それらをすくって口に運ぶと、小奈は思わず幸せの笑みをこぼした。
(さわやかな甘みとザクザクの氷、ガリガリ君のシャインマスカット味って感じね)
小奈はスマホを取り出すと、かき氷のツイッターアカウントを開いてレビューした。
店名:「街屋果実商店」
かき氷:「シャインマスカットのかき氷」
値段:850円
一言:味は文句なしだけど、氷がちょっとザクザ クで食べきるのがしんどい人もいるかな。あと、値段もかき氷にしてはちょっと高めかも。
評価:★★★☆☆
かき氷を食べ終わると、小奈は店を後にした。