侮るなかれ、小麦粉の応用
今日は小麦の成分についてお話します
まず小麦は約70パーセントが炭水化物です!そしてその大部分はデンプンです!
当然、お米とおなじアミロースとアミロペクチンが含まれています
次にタンパク質です、種類によりますが多くて15%ほどですね
とはいえお米よりはタンパク質含有量は多いです、しかし必須アミノ酸の量はお米よりも低いのです。つまり米の方がタンパク質としての栄養は高いんですね!
ちなみに必須アミノ酸は人間の体では生成できないアミノ酸の事です。
話が逸れてしまいますが……必須アミノ酸はバランスよく食べなければ意味が無いと言われています。どういう意味かというと、必須アミノ酸は人体で生成されない複数のアミノ酸の総称です!これらは摂取量の少ない必須アミノ酸の量に合わせて他の必須アミノ酸は使われます。なのでとある必須アミノ酸ばかり摂取しても意味がありません、摂取量のすくない必須アミノ酸に合わせて使われて無駄になってしまいます
サプリメントなどに含まれているアミノ酸が本当に全種類の必須アミノ酸が含まれているいかどうか一度調べてみるのも面白いですね!もちろん通常の食事で足りない必須アミノ酸を補うのであればまた別ですが
さてお次は小麦の機能性……私たちの健康に+効果のある成分です
まず、小麦アルブミンというタンパク質の効果についてです!
なんとこの小麦アルブミンは血糖値の上昇を緩和するのです!具体的に言えば、炭水化物であるデンプンはデンプンのまま吸収されることはありません、そもそもデンプンは簡単に言えば糖がいくつも鎖のように繋がってできているのです。そしてそれが吸収されるには糖の鎖を切断して、細かくすることでデンプンでなく糖として吸収する必要があります。
そこでこの小麦アルブミンはデンプンを切断して糖にする酵素の働きを抑制することで、そもそもデンプンから糖ができにくくするのです!なので吸収される糖が少なくて済みます
ちなみに日清製粉からこの製品が出ていますね
話がまたもそれますが、みなさん低カロリーの糖の仕組みをご存じですか?
あれは恐ろしく簡単にいうと、人間では分解できない結合でできている糖のことです!分解できなければどれだけ食べても吸収されることなく排出されるだけ……今回は分解する酵素を抑制していますが、糖の吸収の仕組みを利用した製品は色々あります。食品添加物の甘味料にもありますね!
そんな糖の甘さに関しても話したいことはありますがそれはまた後日ということで
さてお次は小麦ふすまについてです!
これに関しては聞いたことが無い方がほとんどでしょう、しかし商品を知っている人はいるはずです!
これは小麦粉には含まれていないものです。
小麦ふすまとは小麦の外皮であり、簡単に言えばいらない部分です。しかしここには不溶性食物繊維があるため便が出しやすくなります!
さて原理を説明しましょう!まず食物繊維とは分解されず腸にたどり着くもので、人間でなく腸内細菌によって分解されます。つまり人間のカロリーになるのではなく、腸内細菌の餌です!
そして不溶性とは水に溶けない性質のことで、不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収します!そうして便のかさを増やし腸を刺激して腸を動かします。勿論腸を動かすには副交感神経の力も必要なので効果は人にもよりますが……
小麦粉にならない部分も積極的に活用していく、いらない部分が実は人間の体に良い……食品の使われない部位は未知の可能性がありそうですね!わくわくします
さてこの小麦ふすまはケロッグのオールブラウンという食品に応用されています。私は何度か食べましたがあまり好きではありませんでした………なので食物繊維はこんにゃくなどで取っています
さて長くなりましたが最後にひとつ小麦粉に関わる雑学を
中華麺のかん水というアルカリ塩溶液の役割をご存じですか?
実はあのかん水は小麦粉のグルテンの形成を早めるんです。つまり粘弾性のグルテンを早く増やし、こしのある麺を作ることができます!
そしてアルカリ塩溶液のかん水と小麦のフラボノイド色素が反応して中華麺の黄色ができます!
ラーメン食べながらこれはかん水で形成を早めた小麦粉のグルテンの触感なんだなーと思ってみましょう!