完璧な容姿の年下の彼は私のことが好きすぎる
出来れば最後まで読んでいただけると嬉しいです。
若い頃から特に美人でもなかった私だけれど、若さにも陰りが見えだすと若いなりの美しさというものを実感してしまう。そんな私がこんなに年下の彼から毎日愛を囁かれるようになるなど以前は考えもしなかった。
昨日の夜は特に激しかった。彼と付き合いだしてから、私の身体の限界を痛感させられる。若いとはいえ彼も疲れたのだろう。予想外に昼寝をしはじめた彼を置いて、昨日片付けるつもりだった家事をしようと思い立つ。
洗濯物も溜まってしまっている。布団まで汚すようなことになるのだ。早めに洗ってしまわないと、いざという時困ってしまう。
さて片付けに取り掛かろうとしたところで、私を探す大きな声が聞こえ、私は手を止め顔を覗かせた。途端に早足でこちらに来た彼は、私のことを思い切り抱きしめた。私がいないと彼はだめなのだ。そう思った私は、彼のことを優しく抱きしめ返した。
「ああ、僕の愛しい小鳥。君の姿が見えないだけで僕の胸は張り裂けてしまいそうだ」
「大袈裟ね。私があなたを置いていなくなるなんて、ありえないでしょう?」
「いいや、君ほど魅力的な女性はいない。目を離すとすぐに僕の手から飛び立ち、二度と戻ってこない気がしてしまうんだ。もっと……。もっと抱きしめておくれ」
微笑む私を見つめる彼の目には涙が光っている。完璧な容姿をもつ彼は、そんな情けない姿ですら魅力的だ。
私は彼と寝室に向かい、共にベッドに入った。
「昨日、無理をしすぎたのよ。少し眠ればすっきりするわ」
優しく頭を撫でながら声をかけると、いやいやと首を振った彼が、私の胸元に顔を押しつけてきた。
「君を味わいたい」
「だって……、さっきも……」
呆然とする私に上目遣いで彼は続けた。
「嫌なのか?」
「そんなことないけれど……」
私だって彼には弱いのだ。彼のお願いであればどんな無理なことでも叶えてあげたくなってしまう。
ひとしきり私を貪り、満足したらしい彼が眠そうにとろんとした顔を私に向けた。
「眠るまでついているわ。心配しなくても大丈夫」
「そんなことをしたら君を永遠に喪ってしまうかもしれない。もし僕が眠ってもずっとついていてほしいんだ」
「仕方がない人ね」
私は苦笑して、彼の隣に横になる。そのまま私もいつの間にか眠ってしまった。
その夜、帰宅した夫が私に声をかけた。
「そのアテレコいつまでするの?」
「この子が話せるようになるまでかしら」
二度目はきっと一度目よりも彼が可愛く見えるはずだと信じております。