毒子のサバイバル術
二十二
・私たちは精神疾患なのか?
肉親が他人にしか見えないことについて、議論すべき点があります。
例えば、精神疾患との関係です。
スキゾイドパーソナリティ障害という人格障害があります。
ウィキペディアによると、「スキゾイドパーソナリティ障害あるいはシゾイドパーソナリティ障害とは、社会的関係への関心の薄さ、感情の平板化、孤独を選ぶ傾向を特徴とする人格障害」です。
スキゾイドパーソナリティ障害の原因は、「生まれ持った資質の弱さ、発達のアンバランスさ、親からの虐待やネグレクト、母子関係のこじれ、発達早期のトラウマ、医療トラウマ、学校や社会でのトラウマ、生活全般の困難など」(ウィキペディア)が考えられます。
スキゾイドパーソナリティ障害の診断基準は、「次の診断基準の内、少なくとも四つ以上を満たすことで診断されます。
①家族を含めて、親密な関係を持ちたいとは思わない。あるいはそれを楽しく感じない。
②一貫して孤立した行動を好む。
③異性と性体験を持つことに対する興味が、もしあったとしても少ししかない。
④喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない。
⑤第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない。
⑥賞賛にも批判に対しても無関心に見える。
⑦情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情。」(ウィキペディア)
私の父は、七つの診断基準のうち、少なくとも四つ(②+③+④+⑤)該当します。⑥については、父は四六時中、パソコンとウンコしかしませんので、診断不可能です。
私の場合、七つの診断基準のうち、五つ(①+②+⑤+⑥+⑦)該当します。
診断基準に従えば、私たち親子は、スキゾイドパーソナリティ障害の可能性があります。
この人格障害の興味深いところは、当の本人が、社会生活を営む上で他人に迷惑をかけることがないので、仮にスキゾイドパーソナリティ障害だとしても、わざわざ病院で診断を受ける人が極めて少ない点です。もちろん、私も父も病院でスキゾイドパーソナリティ障害かどうかを診断したことがありません。
もし私がスキゾイドパーソナリティ障害と診断されても、その原因が先天的なものなのか、後天的なものなのか、原因を突き止めることは困難でしょう。父は著しく変な人間であり、その遺伝子を私が受け継いでしまったからなのか、それとも、毒親の父から暴力や暴言を受けて育ってきたからなのか、はたまた、その両方の影響を受けているのか、判別が難しいです。