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毒子のサバイバル術

二十一

 ・毒親を自分の人生にどのように位置づけるのか?


 毒親に毒され続けて大人になった毒子は、やがて毒親をどのように処分すべきか考えるようになります。私のように毒親をポイ捨てするのも一計ですが、様々なアプローチがあります。

 私の場合、毒親を赤の他人と同等の位置づけとしました。いや、もっと正確に言えば、これまでのいろいろな経験や学びを通して、自然とそのような態度になっていきました。

 私は、毒親の誕生日を知りません。他人なので、知る必要もありません。自分の親が他人と同じように見えるようになった時、頭で考える必要のない無駄な思考は、これ一切消え去りました。父が病気になっても何も感じません。実際、父がガンで闘病生活を送っていることを「後日談」として聞きましたが、「あっ、そう」の一言で家族との会話は終わりました。そして、私は親が死んでも、葬式に行かないことを約束します。

 私は弟とも疎遠でその弟の奥さんを見たことがありません。どうやら、自分でも気づかないうちに、毒親に対する赤の他人思考が、兄弟や親族にまで拡張してしまったようです。

 時々、母方の伯母から連絡がありますが、全て無視します。

 私は高校生の時に突き落とされた精神の奈落の底から抜け出し、人生を謳歌するに至っています。その一方で、私を奈落の底に突き落とした毒親は今、自らを奈落の底に突き落とし、永遠の闇の中をさ迷い続けています。

 私は後天的な猛烈な学習と経験を通して、奈落の底から抜け出す術を得ました。しかし、毒親、とりわけ父は学びませんので、奈落の底から抜け出す術を知りません。このまま地獄でのた打ち回り続けるでしょう。

 父は死ぬまで地獄でのた打ち回る。

 父は無意味に老いゆく。

 それでいいのです。

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