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「話は決まったな。私は飛燕だ。よろしく」
「ああ。俺は魁斗だ。こちらこそよろしくだ」
眠っていると携帯が鳴った。
出ると魁斗からだ。
「よう。今日はパラダイスに連れてってくれるんだろう」
私は時計を見た。
まだ午前五時だ。
「約束の時間まで、まだ五時間もあるぞ」
「いやー楽しみで楽しみで。一応確認しておこうと思ってな」
「まったく。今日で間違いない。もう一度寝るぞ」
「はいはーい。おやすみー」
電話は切れた。
どれだけ楽しみなんだ、あのバカ。
待ち合わせの場所に行くと、予想はしていたことだが魁斗が先に来ていた。
「やっと来たか。ずいぶん待ったぜ」
「私も約束の時間よりは早く来たんだが」