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「そうだ」
「強くなれる。暴れられる。人に感謝される。お金がもらえる。どれも俺の大好きなものだぜ。そこってまるで、夢みたいなところじゃねえか」
「そうだ。参加してみるか。ただし多少の危険はともなうがな」
「危険? やばいやつとでもやりあうのか」
「そう。ちょっとやばいものとな。我々はあやかしと呼んでいる。わかりやすく言えば化け物だ」
「強くなれて、暴れるだけ暴れられて。しかもその相手がやばい化け物だなんて。そんなの正真正銘のパラダイスじゃないか」
男は本当に嬉しそうだ。
今は喜びに満ちあふれているのだろう。
化け物といった非日常的な単語に疑問を抱かないほどに。
私も今までに何人か見たことがある。
本物の戦闘狂だ。
強くなって強いやつとやりあうのが生きがい。
好きで好きでたまらないのだ。
最初に青柳からケンカ好きと聞いたとき、その欲求を満たしてやればいいと思ったが、そのとおりになった。
私は男に握手を求めた。
男がそれに応じたとき、私は言った。