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おそらく自分は人一倍身体が頑丈だくらいにしか思っていないのだろう。
こんな芸当ができる人間は、なかなかお目にかかれない。
青柳がいい逸材と言ったのも納得できる。
男は私を見ていた。
おそらくどう攻撃してやろうかと思案しているのだ、
私も男を見ていた。
この場はこの男に先に攻撃させるほうが、いいからだ。
しばらくにらみ合っていたが男が動いた。
棒を振り回さずに突いてきたのだ。
身体ごとぶつけるように。
おそらく多少かわされたとしても、自分の身体で私を吹っ飛ばすつもりなのだろう。
私は棒をかわすと同時に男の手をつかみ、男の突進力を利用してそのまま投げた。
巨体がまさに宙を舞い、男は少し離れたところに背中から落ちた。
「いてっ」
男は顔をゆがめながら立ち上がった。
私は言った。