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そしてその棒の端を両手で持つと、振り回してきた。
その動きは速かったが、私はそれを避けた。
男が言った。
「ほう。いきなり振り回したのに、避けやがったな。ただもんじゃあないみたいだな。チビのくせしてよ」
私の背はそれほど高くはないが、チビと言われるほど低くはない。
まあ、この男から見ればチビなのだろうが。
私は背中に手を回した。
槍を取ったのだ。
槍の刃先はカバーがしてある。
それを構えた。
「いいねえ」
男の表情は歓喜であふれている。
けんか好き。
つまり戦闘狂なのだ。
それならやりやすい。
男が再び棒を振り回してきた。