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所用で神社によると、青柳が突然言ってきた。
「いい逸材がいる」
当然聞いた。
「どんなやつだ?」
「若いな。まだ二十歳前だ。そして体がでかく、身体能力が高い。おまけに“気“が使える」
「えっ、気が使えるのか」
「ああ。本人は気付いていないようだが」
「本人も気付かないうちに、気を使っているのか。それは有望だな」
「そう、有望だ」
「それで、そいつはどんな性格のやつだ?」
「やんちゃ、というか暴れん坊。大のけんか好きで、その界隈ではけっこう有名な男だ。だから俺の耳にも入って来た。それと暴れる以外は、悪いことは全くしていない」
「それは好都合だ。で、私はどうすればいい?」
青柳はメモを渡した。
日付、時間、場所が書いてある。
隣の市の郊外のようだ。
「ここに行けばいいんだな」