女性2
少女の目が覚めると、体の所々が痛みました。
しかも身動きができません。
上を見れば、はるか彼方に小さな光が見えました。
どうやら落っこちたようでした。
だけれど彼女はどこかに落っこちた記憶なんてありませんでした。
手紙で呼び出されて、それからの記憶がありません。
「誰か、誰かいませんか!?」
彼女は叫びますが、反応がありません。誰もいないのかもしれませんが、叫び続けていれば誰か気づくかもしれません。
彼女は必至で呼び続けました。
やがて声がかれた頃、「そこからだしてあげようか?」と男の声がしました。
女性は無我夢中で縋りつきます。
「お願いします! 私どうしてかこの穴に落とされてしまったようなのです。助けて下さい!」
「でもなあ、僕の条件をのんでくれないと僕は助けてあげられない」
「何ですか!? できる事ならします。ですから助けて下さい」
「ふふ。言ったね? じゃあ助けてあげるよ」
そう言って青年は女性を助け出しました。
そこは山でした。枯れた木が、細々と植わっています。
女性は井戸の中に落とされていたようでした。
「ありがとうございます。私は何をしたら」
「そんなの簡単だよ。君は僕のお嫁さんになるんだ。僕の屋敷からは一歩も出さないよ。ほかの人なんかにもあってはいけない。これから君は死ぬまで僕にしか会えないよ」
そうして青年は女性の足と手を、斧で切り落としてしまいました。