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青年2
青年は焦れて女性を探し出しました。
なぜ、自分の誘いをあんな簡単に断るのだろうか。ほかの女は踊る為にアピールしてくるのに。
イライラが募って、仕方がありません。
ある時青年は女性を見つけました。朗らかに笑い、談笑しています。
相手は自分よりとても不細工な男性でした。自分より下の階級の貴族でした。
どうしてぼくじゃなくて、彼を見ている? どうして僕には笑顔を向けなかったのに、彼には笑っている?
その時青年は気づきました。
自分は彼女が好きなのだと。どうしても手に入れたいと。
そこまでだったらとても健全でした。しかし青年は恐ろしい考えが浮かびました。
どうしても手に入れたいのだから、自分から離れなくしちゃえばいいじゃないか。
さて、どうしようか――?
少し離れたところで和やかに笑う二人と、凶悪な笑みに染まった恐ろしい青年がいました。
☆☆☆
考えた青年はとても行動が早いものでした。
ねむらせる薬。
馬車。
彼女に面会を求める手紙。
これからしようとしていることに、彼はにたりと笑みを浮かべました。