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平怠亭一期の言いくるめ  作者: チビ大熊猫
おべんちゃら
4/6

相談者 津川由綺


 早朝から浅間は大迫と問答を繰り広げていた。原因は浅間が職員室にまで手を伸ばし、悩み相談部のチラシを至るところに忍ばせていたからだった。しかしこれには協力した教師も数名いたのだが、大迫は当然唆した浅間を第一に叱責する。同僚とて後々少しの文句を言うわけではあるが、年配の教師には多少気が引けるという人並みの弱点もあるからして、一筋縄ではいかない苛立ちも加わっていた。

「ペラペラとっ。結局のところその活動は自己満足だろう」

「何をおっしゃいますか、その通りです。いいですか、自己満足ほど大切なものはありません」

「お前、この」

 迫り来る手を華麗に躱す浅間。雰囲気を出す為に下駄や雪駄があれば良かったが流石にそこまでは手が回らず、一般的な運動靴である為にここまで動けた。浅間は逃げ足だけは早かった。いや、というより小回りが利いた。屋内とて足袋の上からスリッパを履くわけにもいかないので普通の靴下である。無論校舎を靴下で走り回ったりはしない。

「割りかし繁盛させていただいてるので問題ないかとっ」

「許してないのに実行するな! 社会なら犯罪だぞ!」

「ここは高等学校ですので!」

「口の減らないやつだな!」

「口という漢字があるでしょう。あれは線が繋がっており出口がない。つまるところウロボロスです。永遠ですよ、とわ! 減るものであってはいけないのです。減ってよいものといえばあれはたしか」

「うるせえ!」

 入間は廊下を走り去っていく二人を見て呆れ顔でいた。


 授業というものは授業内容や教師の話は半分を聞き入れ、己の中の会議に時間を割くのが浅間という男だった。普段人にあれこれ言うわりにこんな調子なのだ。しかし頭を空にしている時間は殆どなく、常に脳内を高速で動かしている。心頭滅却とは無縁の男。

「じゃあ次の問三の四問解いてみろ。とりあえず五分十分くらいで様子見るぞー」

 文系の浅間にとって数学はこの上なく退屈だった。学校にいる間の六、七時間は得意の弁舌も愛してやまない会話や議論も封じられる。従って浅間は教室の座席に拘束されている時は死んだ魚のような目に甘んじるのだ。

 授業の休み時間。この日は、その十分という心許ない空白で相談が行われた。


 タンタカタン。出囃子。

 入間が浅間に一枚のプリントを渡しに来た。担任から頼まれたものだ。

「これ。何人かに渡してるんだって」

「なになに」

 それは校外でのボランティア活動の紙だった。週末の昼過ぎ、公民館周りをはじめとした一定の範囲のゴミ拾い。奉仕の精神の強さを買っているのか、当人からすれば謎の人選で、数名が選出されたのだ。浅間は興味なさげな面を隠そうともせず、それを渋々受け取る。

「ボランティアですか。世のため人のために汗を流すことは素晴らしいですが、あたくしも忙しいからなあ」

「あんたのもボランティアでしょ。てか無償の迷惑寸前行為」

「失敬な」

 月曜から手渡される無味の知らせに浅間が失望していると、前の席の女子生徒が振り向いた。

夫婦(めおと)漫才はやめてよ、眠れやしない」

 顔を突っ伏して短時間の睡眠を図っていたらしい。彼女の眠りを二人の些細なやり取りが邪魔したのだ。不本意な言いがかりに入間が反論する。

「由綺。冗談言わないで」

 津川由綺は馴染みのない言葉を投げかけた。

「あれだ、哲学研究所」

「何それ」

 不思議そうな入間に津川が答える。

「浅間の話でしょ? あの色んな人の相談に乗るっていう」

「そんな高尚なものじゃないわよ。ねえ?」

 入間は謙遜してもらうべく浅間を見る。しかし期待した答えが返ってくるわけでもなく。

「盛ってもらう分には制限はありません」

 なんとか舌打ちを耐える入間。

「尾鰭がついて伝わってんのよ」

 入間の対応に、津川は持論を展開する。

「割と助かったり面白がったりしてる人多いし、小難しくものを考えたりする人は好きなんじゃないかな。高校生らしい無理した組み立てだって先生が言ってたの聞いたこともあるけど」

 津川の言葉に聞き捨てならない箇所をみた浅間は思わず訊ねる。

「どなたです?」

「誰だったっけ。忘れちゃった」

 答えは得られなかった。こんなことで浅間が怒るわけもなく、もし人物が特定出来ればその相手の相談に乗って詳しく言葉を交わしたいものだと思っていた。

「まあ個性みたいなもんで良いと思うよ、あたしは」

 津川は棘のある入間に反して浅間の奇行に好意的なようだった。その間隙を見つけるや否や、浅間は瞳を煌めかせる。僅かでも退屈を消し去る可能性には即座に飛び込むのが本能であるのだ。

「じゃあ津川さんもどうです」

「あたしは長ったるくて難しいのはなあ」

 津川はやんわりと断りを入れるような言葉を吐いた。事実、長時間じっとしたり膨大な情報を処理するのは苦手とする方だったからだ。映画を観たり、小説を読んだりは進んですることがない人生を歩んできた。そんな彼女に対し浅間は一歩も退く様子なく押し続ける。

「ラジオとか聴いたりしますか? あういう感じに思ってくれれば。ね、気軽に気軽に」

「へえ〜」

 津川は暫し空を仰いでから、椅子をそのままに体を反転させ、本来とは反対方向に座った。

「じゃさ! ちょっといいかなっ」

「ちょっと由綺」

 入間の横槍を霧散させ、浅間は微笑む。

「もちろん」


 津川は顎に皺をつくり、梅干しでも(つま)んだかのような面持ちで話し始めた。その背後に多少なりとも言いにくいことがあるのは明らかだった。

「んー。人との付き合い方っていうか、友達とのことなんだけど」

「はいはい」

 浅間の返事を聞いてから、生唾を飲み込んだ津川が言った。

「裏切られたのよね〜あたし」

「軽っ」

 誰の耳にも重たい話題に聞こえる言い回し。それをわざとらしい軽さの語調で覆っている。入間は友人のその告白に相槌を打った後、相手の身分を知ろうとした。

「同級生?」

「うん」

「誰だろ。私の知ってる子?」

「いや、修子はまだ同じクラスになってないし知らないと思う」

 それを聞くと入間は顔を歪めた。知り合いでなくて安堵した気持ちもあったが、他クラスにそんな子がいることを気の毒に思ったのだ。今からの話に同性として何故だか身構えた。

「まあさ、一年の時の話だから今は時効っていうか、この教室から出なければ視界にも入れずに済むし、もう気も済んだことなんだけどね」

 距離を置いていることは確実だった。溝が生まれたまま、遭遇を避けている。津川にとってそれだけ意識している事柄であった。

「そんなの来年は分かんないじゃない」

「いやあそれ言われるとなあ」

 黙っていた浅間が口を開く。

「それで本題とは」

 津川も入間から視線を戻し相談を再開する。しかしまた遠回りのように例え話を挟んだ。

「一緒に頑張ろうって、協力するって言って、結局最後はなあなあになって先んじちゃう人っているじゃん?」

 抽象的な表現だった。入間は補足するよう具体例を出す。

「持久走で一緒にゴールとかシャトルランで同じ回数で止めようとか?」

「そそ」

「確かにそういう子いるけど、私はそこまで大事(おおごと)とも思わないかなあ」

 入間はそれが裏切りの正体かと早とちりで私見を述べた。けれども津川が続けたのは別の体験による理由だった。

「それがさー。同じ男子を好きになったみたいでさ」

 入間が驚きで止まる。浅間は舞台袖から姿を現す準備を整えた。

「ほうほう」

 津川は当時を振り返りながらバスケットボール部時代の話を始めた。津川由綺は高校でバスケを始めた珍しい存在だった。それ故、競技での知り合いは少なく、同じ部の人間がその全てだった。ある時、大会の会場で男子を応援していると他校のスモールフォワードが目に留まった。その男子生徒のプレーに釘付けになり、軽率に一目惚れをしたのだ。それから別の大会でも目で追うようになり、三校で合同練習をすることになった際、友人へ打ち明けた。まさか練習試合を組んだ高校が一目惚れの彼のいる高校とはつゆ知らず、当日に知り思いが昂ったまま相談をしたのだ。すると中学からバスケをやっていた友人はその彼と知り合いだという。それも、ただ大会で見かける程度の関係ではなく、中学自体が同じだった。手っ取り早く連絡先を聞くことも出来たが津川はそれを了承しなかった。

「あたしが好きになったことを伝えたら、その子は元々知り合いだったから仲を取り持ってくれるって言ったの」

 素敵な友情じゃないか、と迂闊に言うべき場面ではないと浅間は自重する。

「それであたしは当然大喜び。恥ずかしさもあったけど、彼と距離を縮めれるって嬉しかったんだ。実際一回だけだけど、彼を交えて数人で遊んだこともあった」

 連絡先も知らず、お互いの名前もろくに名乗っていないままに話の輪に入った。誰々の友達だから、そんなニュアンスで紹介すらまともにしないでバスケ部男女が練習中や休憩時間に談笑を楽しんだりした。そしてある大会で会った際、他校同士が試合している時に津川らとその彼の友人らを交えてトランプに耽った。複数人いる中でも彼の笑った顔や楽しんでいる様子を見るのが幸せだった。時折送る視線が気づかれていないか、胸を緊張で締め付けながらもその動悸すらも心地良かった。津川は鮮明に甦る記憶と対面する。

「けどそれっきり機会は無くなって、その子から話を聞くことも少なくなった」

「どうして」浅間は素直で純粋だ。

「あたしも、催促するのは何となく気が引けてあんまり出来なかった。そしたら、ある日その子が話があるって言い出したの」

「まあ、ここでってことね」

 入間の溜め息。浅間は何も言わない。

「もじもじしながら、『私も好きになっちゃったみたい』って。陰であたしのことを勧めたりしてくれてた可能性もあるし、その流れで一緒にいる時間とか話す時間が多くなって好きになっちゃったのかなあなんて」

 津川は後悔を滲ませて紡いだ。

「あたしは友達とぎくしゃくしたりするのが得意じゃなかったし、何となく譲る方向で自然と興味を無くしたように言ったの」

 それで恋を捨てて負けに徹した。その選択の間違いに苛まれているというのが悩みなのか、そう入間は同情した。

「それで男子を奪われたと」

「それがね。ちょっと違うの」

 その津川の言葉は浅間の身を乗り出させた。

「へえ」

 津川は一連の山場を語った。

「その子、あたしが身を引いてほんの一週間後くらいかな、別の男子と付き合ったのよ。びっくりしちゃった。え? って」

 浅間と入間も当時の津川と同じ顔をした。

「んでもってあたしが問い詰めた時には例の彼は他校の女子との交際が始まってたってわけ」

 後悔先に立たずの結末。自分が引かなければ、なんて“もし”を想像してしまうこともあった。友人の気持ちは自分が思っていたよりずっと軽い一時的なもので、正面から彼女とぶつかる勇気があれば何か変わっていたかもしれない。絶縁なんてものは杞憂で、ある意味ではなし崩しの関係修復も出来たやも。それを見越して彼にアプローチしていれば、今自分は失った筈の二つを手に入れられていたのではないか。恋愛は傲慢でも、少なくとも友人とは仲の良いままでいたと断言出来る。

「あたしは何の為に“あたしの好き”を殺したんだろう。そう思うとやりきれなくてさ」

 津川は呼び起こされる(なま)の感情に涙腺が刺激されそうになったのを堪えた。こんな教室内で、しかも授業の合間の休み時間に、クラスメイトへの相談で落涙するわけにはいかなかった。

「確かに裏切りと感じても仕方ないですねえ。その当時の津川さんの落胆は想像に難くない」

 弁明するように津川が付け足す。

「その子のこと、ほんとに正直嫌いになってるわけじゃないの。ただ、これからの人生もそういう子に会ったりするのを考えると、なんだかなあって感じで」

 そういう津川から言い訳の気配は感じられない。入り乱れた事情に浅間も考えを巡らせる。悪気が無かったのは間違いない。それだけは事実で、津川やその友人だって分かっている筈。人の持つ、生み出す恋慕とはそう簡単ではない。

「なるほど、その懸念は確かに今後の津川さんの人生においてそれなりの障害になりそうですね」

「でしょ?」

 津川が浅間に同意を求める。それでいて打ち明けただけに見合う回答を待ち望んでいる。

「それでどうするの。後少ししかないわよ」

 入間は教室の前方、黒板の右上にある時計を見て、浅間に休み時間の終了が迫っていることを伝える。

「こうしましょう。人付き合いという話の切り口でありましたので、そこにフォーカスします」

 浅間は臙脂のちゃんちゃんこを膝の上に乗せたまま話を始めた。扇子は開かれた。

「人付き合いは減点方式じゃやっていけない。だから加点方式にする。こんな持論があります」

「いつも持論でしょ」

 入間を潤滑油にしながら浅間は弁舌を披露する。

「性善説は好きなのですが、それとの向き合い方は少し複雑だ。まずそこから話しましょう」

 理解の追いついていない津川も、一先ずは話の流れを飲み込む。

「他人を良い人だと思い込む、基本的にね。何か悪いことや態度があっとしても必ずそれなりの事情があるのだと。万人がそうであると考えることで、万人を好きになれます。過信ではなく期待する。言うなれば積極的盲目。期待とは、裏切られた時の度合いを大きくする指標ではない。時間を有意義にする調味料である。人と約束した日までの間、何かに応募して結果を待つまでの間、頼んだ品物が届くまでの間、彼女や彼が口を開くまでの間。期待は恐れを孕む博打であってはならない。これがあたくしのざっくりと定義づけた性善説とでもいいましょうか」

 浅間は個人的に輪郭を付与した性善説を二人の女子へ厳かに伝えた。それは浅間が世界に対する心からの信頼であり、また期待でもあった。

「こんな考えを否定したくはありません。あたくしは一生信じて生きていきたいのです、信仰していたいのです」

 そんな世の中ならどれだけいいか。善人同士の衝突だって存在するのだと許容するとしても、現実は一枚岩ではない。津川のような体験を元に説法を構築するならどういった内容になるのか。

「けれどもこういったケースがあったとなればそれだけで津川さんのように人付き合いに億劫になる。仲を深めきれないモヤモヤや、恋愛相談だって出来なくなるかもしれない。これが一大事ということはあたくしにも分かります」

 浅間の言語化により自らの陥っている状況を自覚する津川。未来に不安を抱いてはいたが、現状の自分が関連する話題を避けていたのは否めない。

「そっか……言われてみれば確かに、あたし恋バナすらしたくなくなってたかも」

 浅間は再開する。

「だから、加点方式にする。そうすることで不可逆の好感度を設けるのです」

「不可逆の好感度?」

 入間と津川の声が重なる。扇子の弧を描いた縁取りに瞳を滑らせる浅間。

「どういうことかというと、初めての期待値を零にして、最底辺へ持ってくる。最初をうんと低く見積もるのです。それから、短所や欠点を見つけたりする前に想定する、それも出来うる全ての可能性を。そうしたら後は上がるだけ。一点一点、一つずつその相手の長所や利点を発見していく。一つ知る度に、最悪から始まった見え方は下へ戻ることなく昇り竜の如く上がっていく」

 その中身としては達観した僧のようでもあり、小学生のような安直な絵空事のようにも思われた。入間は用意していたかに呼応した。浅間も予想の内だ。

「そんな上手くいくかしら」

「まあ難しいでしょう。何故なら津川さんの件は、自分の理解の外にある行動をしたご友人に幻滅したわけだ。そして、幻滅した自分にも若干の失望がある。けども言葉通りご友人や好いた彼に対しての復讐心は微塵もなく、ご自身とて逆恨みをするタイプじゃあない。であればこういう考えを持つことへの憧れはある筈です。根底には確かにあたくし同様まだ人を信じたいままであると言えるわけですな」

 希望に溢れた文言に津川の表情が緩む。高校生にしては尊大で、まるで全てを見てきたような素振りでものを言う。

「そういった、自己に疑心への嫌悪があり、信頼への伸び代があるなら、この考えを持つことは可能なのです。するとそれだけで余裕というものは生まれてくる。人との付き合い方が変わると、幻滅も粗探しも無くなる。ほら、なんだか良さげでしょう?」

 浅間が言い終える。

「よくまあそんなすらすらと出てくるもんだ」

 津川は感嘆とした。眉を上げ、後ろの席に位置する同級生の男子へ強い関心を示した。悩み相談部という奇天烈を体感したことで敬意が生じるなんて考えなかった。

「これだけが生き甲斐の男だからね」

「否定出来ませんね」

 入間と浅間の一つの応酬に終わりを告げるチャイムの音が鳴り響いた。次は歴史の授業だった。

「ありがとっ。浅間の凄さ改めて実感したってゆうか、マジでびっくり」

「それほどでも」

「悪くないね、小難しいことを聞くのも偶には。新たに出会う人全員を零に設定するのはなんだかひどい人にも思えるけど、加点しまくっていく付き合い方なら素敵かも」

 入間が二人を見下ろして言った。

「二人とも根がポジティブね」

 津川は屈託のない笑みを浮かべ、席を座り直してから思った。来週にある約三カ月に一度の席替えを勿体無いと。


 次の休憩時間。津川が友人と手洗いに席を立った際、入間はずかずかと浅間の近くの空いている席に座り頬杖を突いて浅間に向かった。

「またあんたは相手の子と仲直りさせるわけでも、他校の男子と引き合わせるわけでもなく、勝手な考えを押し付けるだけで終わった。それが悩み相談の本質だから」

「それは」

 浅間の釈明を遮る入間。

「でもそれはいいの。今日の由綺見たらなんか心配要らなそうだったし。ありゃ多分仲直りもすぐだね」

 そう言う入間に、浅間はそれ以上言わぬことを選んだ。不要な言葉は心得ていた。

「……そうだね」

「あんたが恋愛相談に乗るとは思わなかったけど、周りくどいながらもいい答えをしたのは褒めてあげるわ。友達として感謝も一応」

 らしくない彼女に再三の本心を吐露する。恋愛が絡んでいたとはいえ今回のそれは本筋を脱線したところにある。

「畢竟、あたくしは話がしたいんですよ。大勢の方とたくさんのお話がしたい。その為なら何だってしましょう」

 浅間は我欲の秘匿をしない男である。赴くままに口を開閉するのだ。それが日課でありこの男の使命なのだった。





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