開戦前夜
私は、かつての盟友を呼び集めた。また、同盟国の最高指揮官も札幌に呼び集めた。
「全員揃ったな。」私は、確認をする。
「ああ、そろったが…。」高木少将は、続ける。「同盟国の軍人がいるということは、例の侵攻計画のことか。」そう私に問いかけてきた。
「その通りだ。」私がそう答えたとき宮城の最高指揮官が問いかけた。
「突然戦争の準備とは、急すぎるのではないか。」そう、宮城の陸軍最高指揮官佐々木 千夏大将が発言した。
「もしこの同盟が拡大したら我々は窮地に立たされる。仮に、東北連合の件が意図せず外部に漏れた場合や国民の対岩手感情が暴走もしくは、落ち着いたら行動を起こせなくなる。わかってくれたか。」そう、私は、その質問に答えた。
「では、作戦を説明するぞ。」そう言って私は作戦を説明した。
作戦の要点は、次のようになっている。まず開戦事由だがこれは、秋田国旗を掲げた北海道のコルベットを用い北海道の事前に決めた輸送船を攻撃するという偽旗作戦を行いその攻撃を元に防衛戦争として、戦争を仕掛けるという作戦だ。
その後は、歩兵と騎兵部隊を中心とした攻撃を仕掛け、海軍は、初動で敵艦隊を殲滅し、その後山岳地帯では使えない機甲師団を秋田に上陸させ、制圧するという作戦だ。
作戦を説明を終えると今度は、青森の総合軍司令部長官中村 誠一大将が問いかけてきた。
「作戦については理解できたが戦力についても教えてもらえないか。負け戦に力は貸せんのでね。」
それに対し、私は、双方の戦力を伝えた。敵海軍は、秋田が駆逐艦8隻その他警備艇を保有していて、岩手は、戦艦1隻・重巡3・軽巡5・駆逐15その他艦艇ということを伝えた。
「我々は、両国とも岩手程度の戦力を保有しているし、北海道艦隊は、大規模なものだ制海権は、取れたも同義だろう。」そう、青森と宮城の指揮官たちは話していた。
「油断は大敵だがな。」私はそう付け加えた。
作戦決行の合図は、ラジオにて民謡を流すと同時に、作戦は計画に沿って行われることとなった。
来る作戦決行の日、作戦を発動しようとしたとき突然岩手政府が相互同盟は、我が国の安全保障の侵害に当たるとして、我々に、今すぐ同盟を解消するように、最後通牒を送ってきた。
「これは、敵対行為だ。至急、戦争準備だ。同盟国にも声をかけろ。」私は、情報を伝えてきた岡本少佐に叫んだ。
「了解しました。」少佐が答える。
回答期限は48時間後いつでも戦争を始めることはできるがどうやって開戦をするかだ。
3時間後、同盟国の最高指揮官たちが集合した。
「回答はどのようにする?」そう宮城の代表が聞いてきた。
「もちろん拒否だ。奴らの好き勝手にさせない。条約にある防衛宣言を発令する。戦争だ。」そう私は言った。
「了解した。すぐに戻る。」そう言って代表団は帰還した。