暴動
密談が終わり私は、自分の駐屯地に戻った。
「岡本 拓也少佐、来てくれないか。」私は、大隊副隊長を自室に呼んだ。
「まず、クーデターを起こすことで、基本合意は得られたんだが・・・」「どうされましたか?」少佐は、尋ねる。「函館第二師団長の推薦で、私がリーダーになったんだ。」そう、密談の結果を報告する。「それは、また…大変なことになりましたね。」「作戦を考えますか。」少佐は、切り替えるように言う。「そうだな。」「まず始めにしなくてはいけないのは、武器の横流し。そして、一般人からの参加者と、一般民衆の動向も注視しなくてはいけない。勝手に暴動がおこり、失敗することは避けなくてはいけないからな。」そこで作戦を考えたんだが、「政府に、退陣させるためには、簡単に言えば暴動の鎮圧が手遅れになればいいのだろう。」「確か函館第二師団は、国内では珍しいトラックなどが配備されていたな。」そう私は問いかける。「ええそうですが、それがどうかいたしましたか。」そう少佐は、不思議そうに尋ねる。「作戦は次の大規模暴動に合わせて行う。我々は、反体制派につき主要施設を制圧する。そして函館師団が救援に来て助かったと思わせてから税院の身柄を拘束する。」私が概要を説明すると、「いい作戦でしょう。」少佐も納得した。「あと、」私は、少佐にもう一つ伝えた。「私は、明日、帰省して妻に会ってくる。今度の剣でも頼むことがあるんだ。」それを少佐は了承した。
私は、家のある小樽へと赴いた。「久しぶり。ここはどんな感じだ。」私が家に入ると、「突然どうしたの。こっちは平和ですね。軍人さんも役人も札幌のことで頭がいっぱいなんでしょう。」そう、妻は答えた。「私はやっぱり、反体制派につくことを決めたよ。しかし、私がリーダーに担ぎ出されてしまってね。成功したら
政策を私が考えないといけない。少しの間、世間の風潮などの情報収集を頼んでいいか。」そう私は頼んだ。彼女は、「そういうことならいいですよ。若いからって無理はしすぎないでくださいね。でも、ついに幼いころから言っていた国を変えることができそうですね。」妻は嬉しそうにそう語った。「あゝ、本当によかったよ。」私はその日は自宅で過ごすと、地元のこの辺に住む知り合いの家を周り、何人かに協力者になるように頼んだ。知り合いは、喜んで引き受けてくれたので、私は、石狩に戻ることにした。
石狩に戻って数日したころ、札幌で、大きな大暴動がおこった。しかも不運なことに、農民が中心となった暴動と、労働者中心の暴動が偶然にも同日に起きてしまったのだ。
しかし、両方とも市民団体が先頭を行進しており、作戦には支障をきたさなかった。
我々にもすぐに、出動命令が下ったので出動した。