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エピローグ 5

サツキナは城のバルコニーから外を眺めている。

とてもいい天気だ。

イエローフォレスト王国で行われている戴冠式には絶好のお天気だ。

サツキナの隣にはアンジェ・リリカ嬢がいた。


ダンテ王とロキは戴冠式に招待されて出席した。

レッドアイランドのカラミス王子とミランダ王女もご招待を受けてイエローフォレスト王国に行っている。

サツキナも勿論ご招待は受けていたが辞退させてもらった。

シンジノアと顔を合わせるのは辛いと感じていたのだ。

代わりに未成年であるが次期国王であるロキが行きますと書いた。


ロキの雷を操る力は国民や近隣の国に知れ渡り、ロキは「雷竜王子」と呼ばれる様になった。

もう船でやって来てここを攻めようと思う国は無くなるだろう。


ルイスはサツキナの気持ちを尊重してくれた。

そして改めてロキを招待したのであった。



◇◇◇



「ふうん……。大変でしたのね。サツキナお姉様」

サツキナの長い話を聞いていたアンジェ・リリカ嬢はそう言った。

サツキナの深いため息が壁の向こう側にいる自分に届いたのだと言った。

それで鼻にティッシュを詰めたハーピーに乗ってやって来たのであった。

(異界の化物たちはダッカ杉の匂いが嫌い)


「ええ。すごく大変でした。でも、何とか落ち着いたし、隣国イエローフォレストも

ルイス様とサンドラ様が治めてくれるなら、とてもいい国になると思います」

サツキナは言った。

「魔女なんて本当にいるのね。驚いたわ」

自分も妖精なくせにアンジェ・リリカ嬢はそう言った。

(付け加えれば、壁の向こう側はトロールやハーピーなどの化物だらけだというのに)



「ルイス様が国王になったのね。じゃあ、アクレナイト家を継ぐのはシンジノア様ね」

アンジェ・リリカ嬢は言った。

「さあ? どうかしら? ジョージ様にお聞きしたけれど、実は彼はオルカ国王の息子なのだそうよ」

サツキナは言った。

「ふうん。だからブルーナーガの船がやって来たのね」

「そう言う事」



「彼はサツキナお姉様にもう一度プロポーズをしにやって来ますわ。きっと。ふふふ。それは私が保証します」

アンジェ・リリカ嬢はそう言ってにっこりと笑った。


「それもどうかしら? 彼は引く手数多だから。イエローフォレスト王国にもブルーナーガの国にも彼と結婚したいと思っている令嬢達は沢山いるとか……」

そう言うとサツキナはふうっと息を吐いて口をへの字にした。


「あの海戦で私の事を呆れた目で見ていたわ。ドン引きでしたわ。……きっと、恐ろしい女だと思ったに違いありません。アンジェ・リリカ様。私は失敗したなと思っていたのです。もうちょっとおしとやかにすべきでした。……でも、あの時は無我夢中で。今になって思うと私はまるで血みどろの夜叉だっただろうなと……。はっと気が付いて後ろも見ないで逃げ帰って来ました。

昔の記憶を失くしてしまった彼は私なんかよりももっと大人しくて可愛らしい女がお好きなのですわ」

サツキナは寂しそうに言った。

「あら? サツキナお姉様はとても可愛らしいですわよ。

もしも彼が他の女と婚約をしたなら、私がイエローフォレスト王国へ行って破談にして差し上げますわ。相手の女をハーピーの餌にしてしまえば二度と彼に婚約の話も来ない事でしょう」

アンジェ・リリカ嬢はころころと笑ってそう言った。


◇◇◇


 シンジノアはインディグランド川を渡り終えた。

 

 辺りを見渡した。

この風景は馴染み深いと感じた。


シンジノアを見た衛兵は驚いた。

慌てて駆け寄る。

「ルイス・アクレナイト侯、如何されましたか? 本日は確か戴冠式の日では?」

「ああ。それは兄だ」

「はい?」

「あの時は事情があって、俺が兄の身替りをしていたのだ。俺の本当の名はシンジノア・アクレナイト、またはシンジノア・シャークだ」

衛兵はその言葉に目を見張った。

「シンジノア・シャーク殿? あなた様が……? 何と!…… しかし、サツキナ姫様とのご婚約は破棄になったと……」

「破棄になどしていない。サツキナ姫の思い違いだ。だから誤解を解きに来たんだ。サツキナ姫にお目通りを願いたい。お目通りが許可されないのなら、俺はこの前から動かない。何日でもここで待つと言ってくれ。……そうだ、これを渡してくれないか」

シンジノアはそう言うとメッセージカードにさらさらと何かを書き足した。


門番はメッセージカードを持って慌てて城の中に入って行った。


暫くして彼は出て来た。

「どうぞ、お入りくださいとの事です」

シンジノアは衛兵と一緒に門を通り過ぎた。


「真司さん」

上から声がする。

サツキナがバルコニーから見下ろしていた。

隣にはお人形みたいな女の子がいた。長い金髪が足元まで届いている。

シンジノアは自分の右手に巻かれた髪に目をやった。


「サツキナ姫。……いや、沙月。君に会いに来た。……済まなかった。俺を許してくれ。お願いだから婚約破棄だけは勘弁してくれ」


シンジノアは口に手を当てて大きな声で言った。




長かったですね。


読んでくださって有り難う御座いました。



長い物語を読んでくださって有難う御座いました。

アップ時間の6時台に読んでくださっている方もいらっしゃいました。

本当に感謝申し上げます。

コメントなど頂けたらすごく励みになります。



読者の皆様の忍耐に深く感謝申し上げます。

また、懲りずにこの次も宜しくお願い致します。



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