再びのラミス
「俺はカール王を支持する。俺の領地を国有地などにはしない。それにスチュアートとデズモンドが国を牛耳ったら、この国は極右翼の全体主義、秘密警察が支配するとんでもない国になってしまう。だから、ラミス殿、其方にも協力して欲しいのだ」
サラースは言った。
ラミスは考えた。
「幾ら何でもグリンデルタ国の軍が攻めて来たら我が兵士だけでは……頼みの陸軍はリエッサのオヤジだし……」」
「兄上、こ、これはアクレナイトです。すぐにアクレナイト侯爵に遣いを送るのです」
シャルルが言った。
「御父上が困ったら、アクレナイトに相談しろと仰っておりました」
ラミスは「それがあった!」と叫んだ。
「アクレナイトだって港を攻められたら大変な事になる」
「おい、すぐに遣いを、いや、シャルル、お前が行け! お前はアクレナイトと面識がある。話の通りが早い」
「御意!!」
シャルルは走って部屋を出て行った。
「兄上、王都は今危険です。私もシャルル兄と一緒に参ります」
カランが立ち上がった。
「わ、分かった」
「兄上。もう一つ。いいですか? 北部辺境侯のレンドルにすぐに遣いを送るのです。レンドルが一番ここから近い。すぐに遣いを」
カランは言った。
「わ、分かった。ルード。お前が行け!!」
「御意だぜ! 兄者!」
ルードが走り出て行く。
「兄上。ちゃんと兄上からの書状を我等に持たせてください。書状が無いと信用されないという事もあります。蠟封もちゃんとしてくださいよ」
カランは付け足す。
「わ、分かった。すぐに書く」
「ラミス殿。恩に着る。我等、先祖伝来の領地を決して奪われてはなりません。命を懸けて守るのです。カーラ鉱山を失ったら我等は生きて行けない!」
「お、おう。そ、そうだな」
「では。逐次使者を送ります」
「あ、相分かった」
サラース男爵は帰って行った。
ラミスはその場に茫然と立ち竦んだ。とんでもない事が起きてしまったと思った。




