勉強が嫌い
初めての投稿なので、ご容赦を!!
私は勉強が嫌いである。
侮る事なかれ、苦手な訳ではない。どちらかと言えば得意な方である。そんな私に彼は尋ねた。
「なんでそんなに勉強が嫌いなの?得意なんだからいいじゃん。俺は全くできないんだけど」
そんな事を問われたところで、私は明確な答えなど持ち合わせていない。
「さぁね、なんでだと思う?」
彼は少し黙る。
「うーんと、楽しくないの?」
楽しくないかと言われるとそれも違う。
こうやって人と話すことも楽しくないが、嫌いではない。
「いいや、それが理由では無いと思う。」
彼は苦笑する。
「何だよ、他人事だなぁ。んーと、人にやっかまれるから?」
んーそれも違うな。私はあまり人と仲良くしないから、やっかまれていたとしても分からない。
「違うな。」
「えー、生理的に受け付けないとか?」
それも違う。私が勉強が嫌いだと思ったのは高校に入ってからだ。
「たぶん違う。私が勉強が嫌いになったのは高校に入ってからだから」
彼はこちらを見つめ、数度瞬きをする。
「ってことは、俺と仲良くなってからってことか。まさか俺が原因?なんてね」
彼は小さく笑う。
、、、、
「そうかもしれない。」
「はぁ!?俺の何が原因なんだよ?」
彼が勢いよく立ったので椅子が倒れ、クラスメイトがこちらを向く。声も中々に大きかったから会話の内容が気になるという事も一因だろう。
「落ち着いて。別に悪い意味じゃない。」
彼はさっと椅子を立てて
「どういう意味なの?」
少し小さく言った。
「私が勉強してると、貴方は話しかけて来ないでしょう。」
「まぁな。邪魔になるだろ。」
「貴方が勉強していても話しかけられない。だから嫌いなのかも。」
彼は黙り込み下を向いてしまった。そのせいで表情がよく見えない。
「俺にも分かるように、もうちょい分かり易くお願いします。」
「えっと、勉強に貴方を取られたくないって事かと?」
はぁーーーっと盛大なため息が聞こえる。
「俺、馬鹿だからさ、違うかもしんないけど、俺のことその、えっと、スキッテキコエルンデスケド。」
、、、、
「あー確かに。その言い方が1番しっくりくる。やっぱり貴方は凄いよ。」
彼は完全に固まって、と言うか彼だけじゃなく周りのクラスメイトも固まっている。
「ごめんなさい。また変なこと言っちゃった?」
彼はがばっと顔を上げ、何か言おうとしているが、これがよく聞こえない。
「ん?ごめんよく聞こえないや」
「ちょい黙れ。」
「はい?」
クラスメイトは小さく笑っている。
「あーもう!自覚無いのが本当に嫌!お前のそういう所嫌い!」
、、、、
「だけど、嬉しがってる俺も嫌い!」
「え?嫌いなの?私は貴方のこと好きだから片思いか。」
「もー!ちょいとこっち来い!」
彼は私の腕を引いて教室を出る。
「荷物忘れてるよ?」
「あーもう煩い!!!来い!」
教室からのヒューヒューという声が廊下に響いていた。
彼視点もあげたのでぜ見てください!!