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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
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9.現状把握

加筆修正しました(2022/05/04)

『くぅ~』

飯と聞いて我のお腹が鳴った。

「猫ちゃんお腹空いてるんだね。待ってて、今ご飯持ってきてあげるね。」

少女はそう言って部屋を出ていった。

確かに転生してから何も食べてないのだ、腹が減るのは当然だ。

(空腹で体力がなくては脱走もままならんか。とりあえず飯を食うまでは我慢するか。)

飯が来るまで現状の把握をせねば。逃げるにしても情報と我のできることがわからんとどうにもならんだろう。


(川に映った姿、それと小奴らが我を猫と呼んでいるのを考えると、どうやら我は本当に猫らしい…)

やはりそこは認めないわけにはいかないようだ、非常に不本意ながら…

(そうなると小奴らは巨人族ではないのかもしれん。)

我が猫なら普通の人間でも巨人に見えてもしょうがないのかもしれない。人間族ならばどこか地方の知らない部族が我の知らない言語を操っている可能性もある。

(次に今いる場所だが、こんな施設見たことないぞ。わけのわからん機材、それに金属が大量に使われている。武器以外にこんなに使うとはよほど裕福なのか、それとも特別な文明なのか…)

挿絵(By みてみん)

我の知らないものがこんなにも多いとは信じられん…

しかもそのほとんどがどのように作られたか、どんな技術なのか想像することもできん。

(そして一番の問題は我の能力だ。まず身体能力はダメだ。泳げもしないし、この程度の鉄格子も壊せんとは…)

落ちた川も大した流れではなかったはずだ。あの程度の流れに逆らえず溺れた我が身は非常に貧弱なのであろう。鉄格子など壊せなくて当たり前か…

(次に魔法だが今のところ使えたのは翻訳魔法のみ、しかし我の言葉は通じてないような気がする。)

体内に魔力を感じることができるし、実際練ることもできる。小奴らの言語が理解できたのだから魔法が全く使えないわけではない。

しかし中途半端過ぎる…

本当に通じていないのか?もう一度この男に話しかけてみるか。

「にゃ~?にゃにゃ~?(我の言葉が通じるか?ここはどこなのだ?)」

「ちょっとは落ち着いたかな?これなら大丈夫そうだね。今ご飯用意してるから大人しく待ってるんだよ。」

(う~ん、会話が成立せん。やはり我の言葉は通じてないと考えるべきか。)

となると会話で情報を得るのは難しいか…どうする?

「にゃ~にゃ?(我をどうするつもりだ?)」

「思ったより元気でよかったよ。脈も呼吸も落ち着いてたのになかなか意識が戻らなくて心配してたんだよ。」

相変わらず話は通じないが我を心配していたらしい、ということはわかった。

(もしかして此奴は医者か?)

脈や呼吸を診て健康状態を管理する、となると医者である可能性が高くなる。

(となるとここは牢獄ではない可能性もあるな。)

もちろんちゃんとした牢獄なら捕虜や獄卒の健康管理を行う者もいるだろうが、そんなところに人員を割ける場所は限られている。

(まあ我が魔王だとわかっているなら、そういう牢獄に囚われた可能性もあるが。)

しかし今までの此奴らの会話からはそのような印象を受けない。

(そうなると病院という可能性もあるのか?)

溺れていたところを助けられたのだ。ならば運ぶ先は病院というのは自然なことだ。

だとしたら我は囚われたのではないのかもしれない。そう考えていると、

「ご飯持ってきたよ~」

少女が戻ってきた。

「にゃっ!(飯っ!!)」

空腹で限界の我は大げさに反応してしまった。

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