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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
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79.子供たちのお料理教室

誰視点かを追記しました(2022/11/23)

ケイ視点


(…騒がしい。)

今日は土曜日なので学校が休みの日だ。

先程結が友達を連れてきてキッチンで何かをやっているようだ。何をやっているのかはわからんが、「ケイちゃんには…」とか、「ケイちゃんなら…」とか聞こえてくるから我に関わることなのだろう。憂鬱だ…

(まあ陽菜もいることだから酷い目に会うことはなさそうだが。)

何かあれば陽菜が止めてくれるだろう。それに舞衣もいるようだから大丈夫だと信じたい。


結視点


「それじゃあケイちゃんのおやつ作り開始だね。」

私はこの日が来るのをずっと楽しみに待ってた。ケイちゃんはどんなふうに喜んでくれるんだろう?何を気に入ってくれるんだろう?ってワクワクしてる。

「今日は刃物を使うから私も一緒にやるね。みんな気をつけてお料理しようね。」

「「「は~い。」」」

お姉ちゃんが『私たちのため』に一緒にやってくれることになってる。

…でも私は知ってる。

「結たちばっかりケイのかわいい反応見ようなんてずるいっ!それに刃物を扱うの危険だから私も参加する!」

という理由でお姉ちゃんが参加してるってことを。

多分言ったら怒られるから言わないけど。

「じゃあ始めに人参からやってみよっか?人参の皮はピーラーですぐ剥けるから杏奈ちゃんやってみよっか?」

「うん。」

人参は上下切り落せばピーラーで簡単に皮むけるから、料理に一番慣れてない杏ちゃんがやることになった。

「そうそう。あ、ピーラーを動かす先に自分の指置いちゃダメだよ。」

「こうでいい?」

「うん、それなら大丈夫だよ。杏奈ちゃん上手いね。」

「えへへ~」

杏ちゃんはお姉ちゃんにほめられて喜んでるみたい。やっぱりお姉ちゃんって教えるの上手なんだなぁ。

「できた。」

「よくできたね。それじゃあこれを陽菜ちゃん小さめに切ってもらえる?」

「はい、わかりました。」

陽菜ちゃんは一番慣れてるみたいで包丁の使い方もわかってるから包丁係。

「うわ〜、陽菜ちゃん上手だなぁ。もしかして私より料理できるんじゃない?」

ホントだ!陽菜ちゃん包丁使うのすっごく早くて上手。人参もキレイに同じぐらいの大きさに切れてる。

「そんなことないです。()()()()()に慣れているだけですから。」

礼儀正しくてお料理までできるなんて、陽菜ちゃんってやっぱり大人っぽいなぁ。やっぱり憧れちゃうなぁ。

「はい、そうしたら今度は切った人参を耐熱容器に入れてラップかけてレンジにかけるよ。ゆっこちゃん、お願いね。」

「はい。」

ゆっこちゃんはいろんな意味で一番慣れてるからお姉ちゃんのお手伝いって感じかな?付き合い長いし。

「こんな感じかな?そしたら最後に人参を食べやすいように潰してペーストにしていくよ。結、お願いね。」

「はーい。」

「潰すときはフォークで押し潰してあげればいいけど、レンジにかけたから熱いから気をつけてね。」

私はミトンをつけてから容器を取り出して、フォークで潰していく。十分に火が通ってるから簡単だね。

「これで完成かな?」

「え~、人参潰しただけなんて美味しいの?味付けは?杏奈食べたくない…」

杏ちゃんがイヤそうな顔して見てる。そういえば杏ちゃんって人参苦手だったような?

「猫のおやつには味付けしないの。それに食べたくないのは杏奈が人参キライなだけでしょ?」

あ、ゆっこちゃんも同じこと考えてたんだ。

「だってなんかにおい好きじゃないし、美味しくないじゃん。」

「まあ人参キライな子供は多いから。」

お姉ちゃんがそう言うと、

「お姉さん、ちょっとやめてよ。杏奈だけ子供みたいじゃん。お姉さんから見れば子供かもしれないけどさぁ…」

杏奈ちゃんさっきよりイヤそうな顔してる…

「ごめんごめん。」

そんな感じでおやつ第1号はあっという間に完成した。

「できたね。そういえば猫ちゃんは熱いのダメだから冷ましてあげないとなんだっけ?」

確かお姉ちゃんから熱いのも冷たいのもダメって教わったはず。

「おっ、結しっかり覚えてるね。そうだよ、このまま常温で冷やしていくよ。」

よかった、合ってた。

「冷やすなら冷蔵庫に入れちゃえばいいんじゃないの?」

杏ちゃんが不思議そうに聞く。

「杏ちゃん、猫ちゃんは冷たすぎるのもダメなんだって。冷蔵庫だと冷えすぎちゃうから。」

麦茶あげるときにお姉ちゃんに教えてもらったこと、ちゃんと覚えてるもんね。

「へぇ、そうなんだ。猫舌は知ってるから熱いのだけかと思った。」

「私も最初そう思ってたよ。」

そうなんだよね。ケイちゃんのお世話を始めてからいろんなこと勉強できた。

猫ちゃんって身近なのに知らないこと多かったんだな、って思う。

「はい、それじゃ次作ろっか?今日はケイに食べ比べしてもらうんだから、どんどん作らないとね。」

「「「「は~い。」」」」

その後はかぼちゃとさつまいもを同じようにペーストにしてあげた。

「ゆっこちゃん、果物はどうするの?」

果物もレンジにかけるのかな?私だったらそのままがいいな。

「果物はそのままペーストにしてあげれば大丈夫。りんごはキレイに洗ってから芯と種取ってすりおろせばいいし、バナナは皮をむいてフォークで潰してあげればいいだけだよ。」

「わかった~。」

やっぱり果物はそのままなんだ、猫ちゃんも私と一緒だった。

「スイカは?」

「スイカは皮と種が入らないようにして、食べやすい大きさに切ってあげれば大丈夫。でも切りすぎないでね。今日は他のもあげるから一口ぐらいにしとかないとダメだからね。」

そんな感じであっという間にケイちゃんのおやつがいっぱいできた。


・人参のペースト

・かぼちゃのペースト

・さつまいものペースト

・皮つきすりおろしリンゴ

・バナナのペースト

・食べやすいサイズに切ったスイカ

・ゆっこちゃん特製秘密のおやつ


「ゆっこちゃんの秘密のおやつってなに?」

「食べさせるまで内緒。」

なにそれ?すっごい気になるんだけど!

「でも作るの簡単だったね。もっと大変かと思ってた。」

生のかぼちゃがちょっと固くて大変そうだったけど、陽菜ちゃんが簡単に包丁で切ってて驚いた。

それにさつまいもって水洗いしてからラップしてレンジにかけるとしっとりホクホクになるんだなぁ。それだけでも美味しそうだった。

「猫用だから味付けしないからね。それに簡単な方が結ちゃんも作りやすくていいでしょ?ケイちゃんが気に入ってくれたら作ってあげなきゃなんだから。」

「うん、これなら私でも作れそう。」

大変そうなのはかぼちゃ切るとこだけかな?

「さて、それじゃあケイの実食に移りますか。」

「うん!」

ケイちゃんひとつでも気に入ってくれるかな?食べてどんな反応してくれるかな?

私は楽しみでしょうがなかった。

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