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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
8/106

8.囚われの大魔王?

加筆修正しました(2022/05/04)

誰視点かを追記しました(2022/11/22)

大魔王様視点


(うぅ、ここは?)

同じようなことがごく最近あったような気がする…そうだ、転生から目覚めたときだ。

転生から目覚めていろいろあって、川で溺れたのだったな…

(巨人族らしき少女に助けられたのは覚えてる。)

溺れて助けられたのは覚えてる。大丈夫、記憶に問題はない。

記憶に問題はないのだが、同時に夢であってほしいとも思っている。それを確認するために我は手を見る。

(…やはり真っ黒な毛で覆われている。)

現実とはなんと残酷なものか…

とにかくだ、あれから大分時間が経っている気がする。我は溺れて助けられた後に薄暗いどこかに運ばれたらしい。

(大魔王ともあろう者が溺れるとは情けない…この身体はどれたけ貧弱なんだ、まったく。)

助けてもらったおかげか身体の方は問題なさそうだ。まずは状況を…

「なっ、牢獄だとっ!!」

薄暗いわけだ、我の周りは鉄格子で囲まれている。どうやら助けられたと思っていたが捕らえられていたようだ。

(おのれ!勇者の手の者かっ!!我が転生したことに気づいて力が弱いうちに処分しようというわけかっ!)

このままではマズい、なんとか脱出せねばならん。

(くそっ、この鉄格子かなり頑丈だな、押してもびくともせん。力で無理となるとやはり魔法か。)

挿絵(By みてみん)

この程度の鉄格子も壊せないとはなんと貧弱な身体かっ!

しかも川で魔法が全く使えなかったのは覚えている。確か水と重力制御は使えなかったはずだ。

(鉄格子を壊すとなると火か?いやこんな貧弱な身体だ、壊せたとしても熱した金属部分に間違って触れたら何が起こるかわからん。)

どうやって脱出しようか考えていると急にあたりが明るくなった。

(ぬをっ、なんて眩しさだ!まるで昼間のようだ!魔法か?)

眩しさに耐えるようにうっすら目を開けると、また巨人族らしき子供が部屋の扉から入ってきていた。

「パパ、猫ちゃん目を覚ましたみたいだよ!」

(なんだ、何語を喋っているのだ?こんな言語聞いたことがないぞ。)

我の知らない言語など滅多にないはずだ。巨人族なら公共語を使っているのが普通のはずなのに何なのだ?

(とにかく翻訳魔法だ、これも使えないとなると意思疎通すらままならんな。)

我は体内の魔力を練って翻訳魔法を使った。


「目を覚ましたんだね。これならもう安心だよ。」

巨人族の大人か?子供に呼ばれたのか部屋に入ってくるなりそう言った。

(お、わかるぞ。)

先程とは違い、子供が話す言葉が理解できる。どうやら翻訳魔法はちゃんと使えるみたいだ。ならば、

「にゃー、にゃにゃーにゃー!(我を誰だと心得る、偉大なる大魔王ぞっ!)」

「にゃにゃー!にゃーにゃにゃーにゃ!(このような粗末な牢に入れるとは何事だっ!一刻も早く出さんと貴様らもろとも全て焼き尽くしてくれるわっ!)」

「パパ、猫ちゃん興奮してる。大丈夫なの?」

少女が我の言葉を聞いて心配そうにしている。

「いきなりこんなところで驚いてるのかもね。まずはご飯と水を用意してあげようか。」

(なんだ、我の言葉が通じてないのか?こんなに威圧的なのに飯の用意だと?)

しかし飯と聞いて我のお腹が鳴った…

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