78.猫の好み
誰視点かを追記しました(2022/11/23)
結視点
「う~ん…」
私はすっごく悩んでる。もちろん悩みはケイちゃんについて。
最近ケイちゃんっていろいろ慣れてくれたのか、すっごく落ち着いてる。それは嬉しいし、ケイちゃんが安心して生活してくれてるんだからいいことなんだけど。
だからもっとケイちゃんに喜んでもらえることしたい。
それで具体的に考えていたのが、
(ケイちゃんのおやつどうしよう?)
ということだった。
猫ちゃんには定期的に『おやつ』をあげる飼い主さんが多いって調べてわかってる。それを大喜びで食べる猫ちゃんの動画とか画像とかよく見るし。
だからウチでも『猫ちゃんまっしぐら』のアレとか、猫用チーズとか、お刺身とか、鶏のササミとか、猫ちゃんが喜びそうなものをあげてみた。
(でもケイちゃんの反応がイマイチなんだよね…)
もちろん喜んで食べてくれてるとは思う。実際『猫ちゃんまっしぐら』のアレを初めてお姉ちゃんがあげたときは大喜びしてた。
(それなのにすぐ慣れちゃうんだもんなぁ。)
何回かは喜んでくれてたんだけど、最近は『普通』に美味しそうに食べるだけなんだよね。
それはどのおやつも一緒で、いつも最初は喜んでくれるんだけどすぐ慣れちゃう。
(きっと美味しいけど、『大好物』じゃないってことなんだよね。)
だからケイちゃんの『大好物』を見つけてあげたい、って思う。
「結ちゃん、お昼休みなんだから遊ぼうよ。って、どうかした?」
私の席に遊びに来た杏ちゃんが私のこと見てそう言った。
「どうしたのですか?なにか悩みでもあるのですか?」
一緒に来た陽菜ちゃんにも言われた。悩んでるの顔に出ちゃってるのかな?
「結ちゃんの悩みって言ったらケイちゃんのことじゃない?」
ゆっこちゃんにすぐ言い当てられた。やっぱりゆっこちゃんにはすぐわかっちゃうのかなぁ?
いつも一緒にいるゆっこちゃん、陽菜ちゃん、杏ちゃん。
その中でもゆっこちゃんは一番最初に友達になった。ゆっこちゃんのママさんがウチのパパと友達だから、物心がつく前からずっと一緒に遊んでたんだって。
陽菜ちゃんは小学校入ってからすぐに友達になって、それからはよく3人で遊んでた。
杏ちゃんが2年生のときに転校してきてからは4人で一緒にいるようになった。
「ゆっこちゃんの言う通りケイちゃんのこと。でもそんなにわかりやすい?」
あまりにも簡単に言い当てられてちょっと不満。私ってそんなにわかりやすいかな?
「だってねぇ…」
ゆっこちゃんはイタズラっ子みたいな顔してみんなを見る。陽菜ちゃんと杏ちゃんはそれを見て楽しそうに、
「親バカだもんね。」
「親バカですからね。」
って言った。
「バカじゃないもん!ケイちゃんのママだからだもん!」
だから『バカ』って言うのやめて!!
「まあまあ、それで何を悩んでるの?」
私をなだめるように言うけど、先導したのゆっこちゃんだよね!?
「んっとね、ケイちゃんに喜んでもらえるおやつどうしよっかな?って。」
私はみんなに言った。
「おやつで悩むって、やっぱり親バ…」
「杏ちゃん!」
私は笑いながら言う杏ちゃんに被せるように言った。
「ごめんごめん。でも猫の好物って言ったらやっぱり魚じゃないの?」
「やっぱりそう思うよね?でも最初は喜んで食べてくれるけど、すぐ慣れちゃって。」
「慣れたらダメなの?」
「ダメじゃないけど、それって『大好物』じゃない、ってことじゃない?」
私だったら大好物が出てきたら大喜びするもん。だからきっと違うんだって思う。
「それは確かに。」
「そうなんだよね。ケーキが出てきたときの杏ちゃんみたいじゃないとって思う。」
「なんで杏奈を例えに出すの!?それにケーキが出たらみんな喜ぶじゃん!」
「さっきのしかえしだもん。」
杏ちゃんがバカって言うからだもん。
「おやつねぇ、猫ってホントいろんな好みあるから。ウチに診察に来る子もそれで飼い主さん困らせてる子もいるみたいだよ。」
「困るって?」
食べ物の好みで困ることってあるのかな?
「人間の食べ物大好きな子は困るみたい。料理してるとキッチンに入ってつまみ食いとかされちゃうんだって。人間の食べ物は猫には味が濃いし、カロリーも高いから太っちゃう子が多いみたい。」
「それは困るかも。」
「太ると病気になりやすくなっちゃうからね。それに猫の食べちゃダメなものも食べちゃうかもしれないし。」
そうだよね、ネギとか入ってたら大変だもんね。ケイちゃんがそういう子じゃなくてよかったぁ。
「鶏肉は?」
「ササミとかあげてみたけど、一緒だった。」
「猫用のおやつとかどうでしょう?」
「『猫ちゃんまっしぐら』のアレが一番反応良かったかなぁ?」
「「「「う~ん…」」」」
みんなで考えてもやっぱり難しいのかな?
「甘いものとかどうですか?」
陽菜ちゃんが言ってくれて気づいたんだけど、そういえば甘いものって食べさせてあげたことなかった。
「あげたことない。猫ちゃんに甘いものっていいのかな?」
お姉ちゃんが確かチョコレートとブドウはダメって言ってたと思う。それに猫ちゃんは肉食だから甘いものって全然考えてなかった。
「カロリーに気をつければ大丈夫だと思う。あとは砂糖とか使った食べ物はダメだけど。」
砂糖を使ってない甘いもの?どういうことなんだろう?
「砂糖を使わないでどうやって甘くするの?はちみつでも使うの?」
「はちみつ使ったら一緒だよ。そうじゃなくて人参とかかぼちゃとかさつまいも。気をつければ果物だって大丈夫かもしれない。」
「そっか!焼き芋とか甘いもんね!今度やってみよう。」
ママに相談したらいろいろ試せるかも。
「ケイちゃんの反応が面白そうだから私も一緒に試してみていい?」
「うん、ゆっこちゃんが一緒にいてくれるなら安心。」
ゆっこちゃんがいてくれれば何がダメなのか教えてくれるもんね。
「あ、ずるい。杏奈も行く!」
「私も行きたいです。」
「うん、週末にみんなで一緒にやろう。」
「じゃあ週末は結ちゃん家でプチお料理教室だね。」
お料理教室楽しそう!みんなでケイちゃん喜ばせてあげられるかな?
猫におやつをあげるときは気をつけてあげてください。
食事量との兼ね合いを考えてあげないとカロリーオーバーになってしまうこともあります。
少量ならあまり気にしなくても大丈夫だとは思いますが、飼い主として責任ある行動を心がけたいですね。