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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
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69.飼い主あるある

一部誤字がありましたので修正しました(2022/03/22)

「ねぇ、これ見て!昨日のケイちゃんすっごいかわいかったんだよ!」

今は昼休み。いつも通りゆっこちゃん、陽菜ちゃん、杏ちゃんと集まっていた。

私は昨日のケイちゃんの写真をみんなに見せていた。

「今度は何やったの?」

「ケイちゃんの新しいおもちゃが届いたんだけどね、ケイちゃんったらおもちゃより入ってたダンボールが好きみたいでね。ほら、ケイちゃんダンボールに入ってすっごいかわいいの!」

「はぁ、かわいいです~」

陽菜ちゃんはいつもケイちゃんの写真見るとすっごくうれしそうにしてくれる。

「いつもかわいいね。猫ってなんかダンボール好きな子多いよね。狭いとこ入り込んだりとかしてさ。」

お姉ちゃんと同じこと言ってる。ゆっこちゃんはやっぱり知ってるんだ。

「知ってる、こういうの猫あるあるって言うんでしょ?」

杏ちゃんが楽しそうに言った。

「そうそう。」

ゆっこちゃんもわかってるみたいだけど、私はちょっとよくわからない。

「猫あるあるって?」

「猫飼ってると必ずこういうことするよね?みたいなこと。」

「そうなんだ、他の猫ちゃんもやるんだ?」

杏ちゃんまだ猫ちゃん飼い始めてないのによく知ってるなぁ。

「みたいだよ。私の家でも保護猫お世話してると気づいたらダンボールに入ってる猫とかいたもん。」

「やっぱそうなんだぁ。杏奈もいつか猫飼いたいから動画とかいっぱい見てるんだよね。」

「猫動画いいよねぇ、ずっと見てられる。」

「結ちゃんも今度ケイちゃんの動画撮ってきてよ。」

「うん、いいよ。そういえばママがお掃除ロボットに乗ってるケイちゃんの動画撮ったってうれしそうにしてるよ。」

「なにそれ?すっごいかわいいじゃん!明日持ってきてよ!」

杏ちゃんが相変わらず私にグイグイ来る。

「わかった。ママにもらっとくね。」

「やったー!」

「そういえばさっきの猫あるあるって他にどんなのあるの?」

猫ちゃんがよくやることならケイちゃんのために知っておきたい。

「えっとねぇ、テーブルとか棚の上にあるものを落とす。」

杏ちゃんが思い出すように教えてくれる。

「ケイちゃんまだやってないなぁ。」

「なんか通り道に邪魔だと思って落としたり、飼い主にかまってほしくて落とすらしいよ。」

「そっか、ならケイちゃんに邪魔にならないようにキレイにしとかないと。」

お部屋の整理するのもケイちゃんのためになるんだ。

「部屋の一点をじっと見つめる。」

「なにそれ?」

ケイちゃんそんなことやってたかな?

「わかんないけど、もしかしたら私たちには見えない何かが見えてるのかもしれないよ?」

ゆっこちゃんがそんな事を言う。

「見えないものって?」

「…幽霊とか?」

「えっ!ちょっとやめてよ、ゆっこちゃん!」

「ケイちゃんがじっと見つめてたらもしかしてそこには…」

ゆっこちゃんが急に声を潜めて私に言ってきた。

「やだっ!幽霊なんていないもん!!」

お家に幽霊がいるなんて絶対やだっ!それにケイちゃんが幽霊見てるのも絶対やだっ!!

「冗談だよ。猫は人間より耳が良いから、何かが聞こえて警戒してるのかもしれないんだって。」

「もう、おどろかせないでよ…」

私はほっとしてゆっこちゃんを見る。

「ごめんごめん。」

ゆっこちゃんは笑いながら謝る。

「わかんないよ?もしかしたら聞いてはいけない何かを聞いてるのかも…」

今度は杏ちゃんがそんな事を言う。

「だからやめてってば!」

みんなで怖いこと言うのやめてってば!

「それより他にないの?」

私は早く違う話に変えたくて聞いた。

「深夜になるとバタバタ暴れるんだって。猫は元々夜行性だから夜のほうが活発に動くんだって。」

「ケイちゃん夜は寝てるよ?それにリビングにいるから夜に動いてるかわかんない。」

「よかったね。それで寝不足になる飼い主もいるから大変なんだって。」

「そうなんだ。でも発情期になったらそういうのあるかもしれないって聞いたし、大変かもしれないからがんばらなくっちゃ。」

寝不足になったら大変だけどガマンしなくっちゃ。

「でもそれよりも、結ちゃん見てると飼い主あるあるだよね。」

杏ちゃんが楽しそうに言う。

「飼い主あるある?」

「だっていつも写真撮って杏奈たちに見せるでしょ?ケイちゃんかわいくってしかたない、みたいな。」

「うん!だってケイちゃんかわいいもん。」

「それそれ。飼い主ってみんなそうみたいだよ。」

「あ~、わかる。結ちゃんってケイちゃんのことホントに大切にしてるんだ、って思うよね。」

ケイちゃんが大切なのは当然だよね。でもみんなにもそう見えてるならうれしいな。

「杏奈、最近結ちゃんが走って帰るの見たことあるんだけど、あれってケイちゃんのため?」

「うん、だって早く帰ってケイちゃんと一緒にいたいもん。」

何もない日はちょっとでも早く帰るようにしてる。

「そういえば今日の体育で結ちゃん持久走すごく速かったですね。去年まではそんなに速くなかったと思ったのですけど。」

陽菜ちゃんに言われて、そういえば去年までは運動があまり得意じゃない陽菜ちゃんと一緒に走ってたことを思い出した。

「あ、あれは私もびっくりした。というか、結ちゃんに負けるなんて思ってなかった。もしかしていつも走って帰ってるから速くなったの?」

「う~ん、そうかも?」

私は元々あんまり運動が得意じゃないけど、なんか今日の持久走はすっごく速く走れた。私だって運動が得意なゆっこちゃんに勝てるなんて思ってなかった。杏ちゃんはもっと速かったけど。

「杏奈よりちょっと後ろくらいだったよね?」

「うん、自分でもびっくり。」

「いつもどんな帰り方してるとそうなるのよ?」

どんな、って普通なんだけどなぁ。

「えっと、ダッシュするでしょ?疲れたら歩いて、またダッシュ。そしたらお家まで5分ぐらいで帰れるから。」

私はいつも走って帰る方法を説明した。

「…それって普通に運動メニューだよね?」

ゆっこちゃんがあきれた感じで私を見る。

「そうなの?」

「インターバルトレーニングって知ってる?100メートルとかのダッシュを一定の休憩時間をはさんで繰り返すの。運動部とかで持久力付けるためにやるやつだよ。」

へぇ、ゆっこちゃんっていろんなこと知ってるなぁ。

「でも早く帰らなきゃ、って思ったからやってるだけだよ。」

歩いたら20分近くかかるんだから走らないと、って思ってるだけなのに。

「親バカ。」

「親バカだね。」

「親バカですね。」

みんなそろって言う。

「バカじゃないもんっ!」

私はなんでみんなにそんなこと言われるのか全然わからなかった。

子供の頃に何かのために早く帰ろうとしてダッシュを繰り返すのやりませんでしたか?

私は中学生ぐらいまでやってました。

おかげで私は運動部に引けを取らない持久力を身に付けていました。

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