66.家族会議
誰視点かを追記しました(2022/11/23)
結視点
「うーん…」
学校での休み時間、私はとっても悩んでた。
理由はケイちゃんの去勢手術のことを今夜みんなで話すことについてなんだけど、どうしたらいいんだろう?
私は絶対反対だし、ケイちゃんが嫌がってるのもわかってる。
でもお姉ちゃんは、
「去勢したほうがいいんじゃない?その方が長生きするみたいな話もあるんだし。」
って言ってた。
ケイちゃんとちょっとでも長く一緒にいられるのは嬉しいけど、ケイちゃんが嫌がってることまでして、ってのはなんか違うと思う。
でもどうやったら説得できるんだろう?全然わからないよ…
「結ちゃん、なにかあったのですか?」
気がついたら陽菜ちゃんとゆっこちゃんが近くにいた。
「やっぱケイちゃんのあれ?」
パパさんから聞いたのかな?ゆっこちゃんはわかってるみたい。
「うん。ケイちゃんの去勢手術どうするかを今夜話すんだけど…」
「去勢手術!!」
陽菜ちゃんがびっくりしたみたいでおっきな声を出した。
「うわっ、陽菜びっくりしすぎだよ。」
陽菜ちゃんの声でびっくりしたゆっこちゃん。私もびっくりして陽菜ちゃんを見た。
「あ、ごめんなさい。ま…ケイちゃんが去勢手術しなくちゃなんてびっくりしちゃいました。」
陽菜ちゃんはちょっと慌てたみたいに言った。
「パパから聞いたけど、結ちゃんは反対してるんだよね?」
「うん。ケイちゃんも嫌がってるし絶対反対!」
「でも悩んでるってことはお家の人はそうじゃないんだ?」
「うん…お姉ちゃんは長生きするなら賛成だって言ってる。ゆっこちゃんはどう思う?」
「うーん、ペットとして飼うなら賛成かな?」
「うぅ、やっぱり…」
「でも結ちゃんってあんまりペットだって思ってないんじゃない?どっちかっていうと家族?」
「うん!私ケイちゃんのママだもん。」
「だったら反対で当然じゃないかな?だって家族に去勢手術なんてさせないもん。」
「そうだよね!家族だったら当たり前だよね!」
そうだ、家族なんだから反対って言えばいいんだ。それにケイちゃんのママなんだから絶対に守らなくっちゃなんだ。
「それに去勢したからって長生きするとは限らないし。去勢すると太りやすくなるから、それで病気になったりすることもあるって。」
「そうなんだ!だったらそれも含めて説得できるかな?」
「いいんじゃない?あとは…」
ゆっこちゃんが話聞いてくれてよかった。私たちは休み時間中にどうやって説得するか話し合った。
「だからね、ケイちゃんの手術絶対反対っ!!」
夕飯後にパパ、ママ、お姉ちゃんと手術のことを話し合ってる。
私はゆっこちゃんに聞いた話と、家族なんだからママの私が絶対守るんだ、ってことを一生懸命説明した。
「なるほど。結は自分の気持ちだけじゃなくてちゃんと勉強したんだね。」
パパは私にそう言ってくれた。
「うん。」
「舞衣はどう思う?」
ママはお姉ちゃんに聞いた。
「うーん、結の気持ちを無視してまで去勢することないかな?それにパパも言ってるけど、ちゃんと調べてまで反対って言ってるんだし。」
やった!お姉ちゃんわかってくれた。
「でも発情期に大変なんじゃない?」
「私がちゃんとケイちゃん見るもんっ!」
「結はそうでしょうけど、それだけの問題じゃないでしょ?」
うぅ、そうかもだけど…
「まあそのぐらいいいんじゃない?ケイって普段全然手がかからないじゃない?だからちょっとぐらい手がかかるときがあったって。」
お姉ちゃんが味方になってくれてる。嬉しい!
「そうだよ、ケイちゃんいつもいい子にしてくれてるもん。だからケイちゃんが困ってるときは私が絶対がんばるもん。」
私は絶対がんばるって思ってママとパパを見る。
「まあそうね、ケイが来てから結もずいぶんしっかりしてきたみたいだし。ちゃんとケイと一緒に成長してくれてるって。」
ママがすごく優しい顔で私を見てくれる。
「それじゃ、ケイちゃんの手術はなしでいいの?」
「そうね。これからもちゃんとケイのお世話してね。」
「うん!やったー!!」
私は嬉しくなってケイちゃんに駆け寄る。
「ケイちゃん、やったよ!手術しなくて大丈夫だよっ!」
ケイちゃんを抱きしめて大喜びで言った。
「にゃ~」
ケイちゃんも嬉しそうに鳴いてくれた。
去勢・避妊に関しては当然メリット・デメリットがあります。
外に出られるように飼ってるご家庭では想定外の妊娠や、野良猫を増やしてしまうかもしれませんので手術をしたほうがいいかもしれません。
正直私はどちらが正しいかわかりませんが、飼い主として責任のある行動をしていただければと思います。





