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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
62/106

61.お風呂に入りたい

今週よりSpringFizz様のイラスト提供は隔週となります。

1年以上ずっと毎週提供いただいていましたが、さすがに忙しすぎるので協議の結果隔週提供していただくことになりました。


なお今週はSpringFizz様のイラストはありません。


誰視点かを追記しました(2022/11/23)

ケイ視点


我はずっと考えていた。

陽菜が何者なのか?そして我を知っていて我が知っている転生者だとしたら誰なのか?

もちろん候補はいくらでもいる。我に仕えて人間共との争いで命を落としていった者たちだ。

(しかし前世の記憶を引き継げるような者に心当たりはない…)

そもそも我が特殊なのだ。前世の記憶を持って転生を繰り返すような者を我以外に知らない。

考えてもキリがない。しかし考えずにはいられない。

(いかんな、思考がループしている。)

これは良くない兆候だ。一旦無理矢理にでも頭の隅に追いやって意識しないようにせねばならん。どちらにせよ陽菜に聞かないとわからないことなのだから。

(そうだ、こういうときは熱い風呂にでも入ってスッキリするのがいいな。)

猫は毎日風呂に入れてもらえないのが大変不満である。こんなときぐらい風呂に入れてもらってもいいだろう。

(問題はどうやって伝えるかだな。)

我の言葉がわからない結たちにどうやってわかってもらえるかが重要だ。

我はいつの間にか『どうやって風呂に入るか』に考えが変わっていたのだった。


結視点


「結、そろそろお風呂入っちゃいなさい。」

ケイちゃんとテレビを見てたらママの声が聞こえた。

「もうちょっと後で~」

今見てるのは動物番組。今日は猫ちゃん特集やってるから楽しみにしてたんだもん。

「遅くなるでしょ?」

「これ終わったら入るから。」

かわいい猫ちゃん見たいのもあるけど、ケイちゃんに役に立つことあるかもしれないって思ってる。絶対最後まで見るもん。

「しょうがないわねぇ。じゃあ舞衣入っちゃって。」

「え~、私も見たいんだけど。」

「あとがつかえるでしょ?」

「…は~い。」

お姉ちゃんは不満そうにリビングから出ていった。

「結もテレビ終わったらすぐ入ってね。」

「は~い。」

私がテレビを見ながら答えると、膝の上にいたケイちゃんが『ぴょんっ』って降りた。

「あれ?ケイちゃんテレビあきちゃった?」

私がケイちゃんに話しかけると、ちょっとこっちを見てからリビングを出ていった。


「結~、ちょっとこっち来て。」

なんか風呂場の方からお姉ちゃんが呼んでる。

(もう、いいところなのに。)

「は~い。」

私はしょうがないからお風呂に急いだ。

脱衣所に行くと、お姉ちゃんが下着姿でなんか困った顔してる。

「お姉ちゃんどうしたの?」

「結、ちょっとケイをリビングに連れてってくれる?」

「ケイちゃん?」

見たらケイちゃんが風呂場の入り口に『でーん!!』って感じで座ってる。

「さっきリビング出ていったと思ったらここにいたんだ。ほら、ケイちゃんリビング行こ。」

私はケイちゃんを抱きかかえると、

「にゃー」

ケイちゃんはなんか不満そうに鳴いた…気がする。

「ケイちゃん連れてくだけならお姉ちゃんがやってくれればいいのに。」

テレビ見てた私はちょっと不満。

「下着でリビング行くなんてイヤ。」

「別に誰も気にしないけど。」

「私が気にするのっ!結も女の子なんだから気にしないとダメなんだから。」

「は~い。」

(別に家の中なら気にする必要ないのに、って私は思うんだけどなぁ。)

私はケイちゃんを抱えてリビングに戻った。


「おもしろかったぁ。」

私はテレビの続きを見終わってゆっくりしてた。

(でもケイちゃんを育てるのに役に立つことはあんまりなかったなぁ。)

猫ちゃんいっぱい出ててみんなかわいかった。

(でもやっぱりケイちゃんが一番かわいいっ!)

どの猫ちゃんもかわいかったけど、ケイちゃんにはかなわないよね。

それにやっぱりケイちゃんってすごく頭いいかもしれないって思った。

家具で爪とぎやっちゃう猫ちゃんとかお部屋にいたずらしちゃう猫ちゃんとか多いみたい。

それに何度対策してもダメって子もいるんだなぁ。

(でもケイちゃん1回やったらもうしないもんね。)

ケイちゃんみたいに手のかからない猫ちゃんでよかったって思ってたら、リビングにお姉ちゃんが戻ってきた。

「結、お風呂上がったから入っちゃって。」

「は~い。」

私は着替えを取りに部屋に戻った。


脱衣所に行くとさっきのお姉ちゃんと同じことが待ってた。

『でーん!!』

ケイちゃんが風呂場の前で座ってる。

「ケイちゃん、私これからお風呂入るから遊べないよ?」

「にゃー」

「う~ん、何か言いたいのかなぁ?」

「にゃー」

ケイちゃんがお風呂場の方を見てる。

「う~ん、もしかして一緒にお風呂入りたいの?」

「にゃにゃー!」

ケイちゃんがなんとなく嬉しそうに鳴いた。

「そうなんだ!でもどうしよう?」

こないだお姉ちゃんに教えてもらったからケイちゃんのお風呂の入れ方はわかる。

でも今からやってたら時間遅くなっちゃう。

「今日は遅いからまた今度ね。週末に時間あるときに入れてあげるから。」

「にゃー」

今度はなんか悲しそう?

「ごめんね、今日はダメだから。」

私はケイちゃんを抱えてリビングに連れてった。

「結!さっき言ったでしょ!女の子なんだから下着で歩き回らないのっ!」

リビングに行ったらお姉ちゃんに怒られた…

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