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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
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58.黒猫と陽菜(その1)

誰視点かを追記しました(2022/11/23)

「結ちゃん、ちょっといいですか?」

学校の休み時間に陽菜ちゃんに話しかけられた。陽菜ちゃんの話し方っていつも礼儀正しくてしっかりしてるなぁ、って思う。

「陽菜ちゃん、どうしたの?」

「今日遊びに行ってもいいですか?」

「うん、いいよ。みんな来るの?」

こないだみたいにみんなで遊ぶのかな?

「ううん、今日はみんなには声かけてないの。あのね、ケイちゃんに会いたいなって思って。」

「そうなんだ。うん、いいよ。」

「ありがとうございます!」

こないだ来たときも陽菜ちゃんってケイちゃんのことホントにかわいがってた。ケイちゃんのことすっごく気に入ってくれたってわかるから嬉しいな。

「それじゃ、放課後に一緒に帰ろ。」

「はい、楽しみにしてますね。」

(今日は帰ったら陽菜ちゃんとケイちゃんと一緒に遊べるの楽しみだなぁ。)

私は放課後が待ち遠しくなってた。


「ただいま~」

陽菜ちゃんと一緒に帰ってきたら、ママがお出迎えしてくれた。

「お帰り。あら、陽菜ちゃんいらっしゃい。」

「こんにちは。お邪魔します。」

陽菜ちゃんは礼儀正しく頭を下げてママに挨拶してる。やっぱりしっかりしてるなぁ。

「ママ、ケイちゃんは?」

「ケイならソファで寝てるわよ。」

(うわぁ、タイミング悪かったなぁ…)

せっかく陽菜ちゃんが遊びに来てくれたのにケイちゃんお昼寝中だった。

「陽菜ちゃんどうする?」

「全然大丈夫ですよ。寝てるケイちゃん見れるのも楽しみです。」

「そっか。ならケイちゃん起こさないように静かにリビング行こう。」

「はい。」

私たちはそっとリビングに移動した。


ケイちゃんはソファのいつもの場所で丸くなってた。

「ケイちゃんぐっすりだね。」

「結ちゃん、しーです。」

陽菜ちゃんは人差し指を口に当てて小声で私を注意する。

(なんか陽菜ちゃん大人だなぁ。)

私が友達の家の猫ちゃんに会ったら多分はしゃいじゃうと思うんだけどなぁ。ちゃんとケイちゃんのこと考えてくれて静かにしてくれてるんだ。

陽菜ちゃんはそっとケイちゃんの横に座った。私も陽菜ちゃんの隣りに座った。

(陽菜ちゃん、ずっとケイちゃんのこと見てる。)

陽菜ちゃんはケイちゃんの横に座ってから、ずっとケイちゃんを見てニコニコしてる。

ホントにケイちゃんのこと好きなんだなぁ、こんなに好きになってくれるなんて嬉しいなぁ。

ニコニコしてる陽菜ちゃんを見て、私もニコニコしちゃってる。

しばらく見てると、ケイちゃんの目が開いた。

「あら、ケイちゃんお目覚めですか?」

陽菜ちゃんは嬉しそうにケイちゃんに話しかけた。


ケイ視点


(…どういう状況だ?)

我が目を覚ますと前に結が連れてきた友達と結がじっと我を見ていた。寝起きを見られるのは非常に居心地が悪い。

「おはようございます、ケイちゃん。」

結の友達が我に話しかけてくる。

「ケイちゃん、陽菜ちゃんはケイちゃんに会いに来てくれたんだよ。」

結の言葉で状況が理解できた。

休日ではないのに小娘の相手をしなければならないことに辟易とする…が、こうなっては諦めるしかないことも経験上理解している。

「にゃ~(なるほど、迷惑な…)」

理解しているが、小言の一つも言いたくなる。

「陽菜ちゃん、ケイちゃん抱いてみる?」

結が陽菜と呼んでいる小娘に話しかける。余計なことを言うんじゃない。

「いいのですか?」

陽菜が嬉しそうに我と結を見る。

「ケイちゃんいいよね?」

「にゃ~(いいわけがなかろう。)」

我は結に抗議の声を上げる。

「ケイちゃんいいって。」

(…こうなると思った。)

結は諦めた我を抱えると陽菜の膝に乗せた。嬉しそうに我を見る陽菜は我の背中をそっと撫で始めた。

「はぁ、かわいいです。もふもふで気持ちいいです。」

陽菜はうっとりとした顔で我を撫でる。

挿絵(By みてみん)

(まあこの程度なら別に構わんか。)

撫でられて気持ちい…非常に迷惑ではあるが、弄ばれるよりはマシである。

「ケイちゃんと遊ぶ?」

また結が余計なことを言う。

「ううん、こうやってケイちゃんと一緒にいるだけで嬉しいの。」

「そっかぁ。」

陽菜という小娘は他の者とは少々我への接し方が違うようだ。

(同じ小娘共と比べるとやけに落ち着いてるように見える。)

それに何か雰囲気?匂い?がやけに気になる。何か引っかかるのだ。

(…以前どこかで会ったことがあるか?)

もちろん前回遊びに来たのは覚えているがそのことではない。それよりもっと前に…

(いや、そんなはずはない。)

会うとしたら我が猫に転生してからのはずだからありえない。なのに何故か『懐かしい』と感じている。

我は陽菜に撫でられながら不思議な感覚に陥っていた。

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