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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
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45.猫の身体能力

朝目覚めた我の気分はあまりいいものではなかった。

(昨日は酷い目に遭った…)

首輪をつけられるわ、おもちゃで翻弄されるわで散々だった…正直思い出したくもない。

(だが全く収穫がなかったわけではない。)

そう、結に弄ばれたことも全くの無駄というわけではなかった。

それはこの身体のことだ。

転生してからいいところが全く無かったからつい『この身体は貧弱すぎて何もできないのではないか』と思っていたのだが、無心に動いてみると意外と身体能力が高いことがわかったのだ。

(今までは人型の動きが根底にあったから身体を上手く動かせてなかったということか。)

何故か本能的に動かされたおかげ…せいで、獣型の身体の動かし方がわかってきた。

試しに昨日失敗した料理での火の使い方を調べるために椅子に登ってみたのだが、実に簡単にテーブルまで到達できた。昨日までの苦労は何だったのか…

(まあ結局見つかって降ろされたのだがな。)

とはいえ、料理に火を使ってなかったのを見たときは驚いた。

フライパンは多少形状は違えどこんなもんだろうという感じだったが、ガラスっぽい平らなところに置いただけで食べ物に火が入るなんて思ってもみなかった。

これも動力源は電気なのだろうか?

(確かに雷の魔法で倒した人間も所々焦げていたが…)

電気という動力源はこれほどまでに有用なのか。今後も更に調査を進めないとならないな。


さて、小娘たちは学校へ行ったし、母親もどこかへ行ってるようなので、今日は行動範囲を広げての調査をしようと思っている。

昨日までは部屋のドアが我を阻んでいたが、

(身体の動かし方を知った我の力ならこんなドア容易いわ!)

我はジャンプするとドアノブに手をかけ、体重を利用してあっさりとドアを開けた。

(まあこの通りというわけだ。結と()()()()()()ことも無駄ではなかったのだ。)

そう、我は広い心で結と遊んでやったのだ。決して弄ばれたわけではないのだぞっ!!

挿絵(By みてみん)

まあそれはいい。とりあえず我は身体を洗ってもらった場所へ来た。

上を見ると大きな鏡がある。我はジャンプして足場に乗ると鏡を見た。やはりというかなんというかそこには1匹の黒猫が映っていた。

(水面に映った姿のままだな。それに首輪がすごく目立つ…)

我は昨日のことを思い出して憂鬱になった。

(いかん!いつまでもこんなことでは!それより調査を進めないと。)

我は気持ちを切り替えると周りを観察した。足場に選んだここは白くてツルツルする石のような感じだ。

(随分と綺麗な素材だな。陶器?石?なんにしてもこんなに綺麗な光沢が出るように加工しているなんて…)

形状的には水場のように見える。となると、この目の前に突き出てるものから水が出るのか?しかしどうやって?

我はこの突起部分をいじってみる。すると上部に付いているレバー?みたいなものが上に動くと突起部分から勢いよく水が出てきた。

(うをっ!!たったこれだけで水が出るのかっ!!)

試しにレバーを上下に動かしてみると、水が出たり止まったりする。

(井戸や川に水を汲みに行かなくともこんなに豊富に水が使えるのか…)

どこに水を溜めているのかはわからんが、これなら水が使いたい放題ではないか!

(この技術を盗むことができれば日照りが続いても被害を抑えることができそうだ。)

動力源も重要だが、水源の確保も国の発展には必要不可欠である。

我は新たな技術調査として追加することにした。


水場を後にした我は廊下から続く階段を見つけた。どうやらこの家には2階があるらしい。

(この程度の階段なら問題なく登れるな。)

我が軽くジャンプしながら階段を登っていると、上から母親が降りてきた。

「あらケイ、もうドア開けられるようになっちゃったの?でも2階はダメよ。まだコンセントカバーとか付けてないんだから。」

母親はそう言うと我を捕まえようとする。

(キサマまた邪魔するのかっ!!…だが無理して逃げ回るのも得策とは言えんか。)

また軟禁されて動けなくなるのは勘弁願いたい。我は母親に大人しく捕まったのだった。

イラストのリビングのドアの形状が34話の4コマとは違っていますが、こちらを正とします。

4コマはあくまでデフォルメの雰囲気という感じで見逃してあげてください。

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