44.猫の習性
誰視点かを追記しました(2022/11/23)
ケイちゃんかわいい!!
お姉ちゃんと一緒に選んだ首輪はケイちゃんにとってもよく似合ってる。がんばって選んでよかった!!
「ちゃんと名札もよく見えるね。」
ケイちゃんの名前が書いてある名札がよりかわいさを増してる気がする。
「そうね、これでケイが迷子になってもきっと大丈夫よ。」
「うん、でも迷子にならないようにするのが一番だよね。」
「そうよ。私達がちゃんとしないとね。」
「うん!!」
なんかケイちゃんが本当に家族になったって気がする。もちろんお家に連れてきたときから家族なんだけど、なんかそんな感じする。
「ケイちゃん、よかったね。」
私は大喜びでケイちゃんを抱きしめた。
「なんでそんなに予定よりお金が掛かったかと思ったら、そんなしっかりしたネームプレート買ってきてたのね。」
ママがケイちゃんの首輪を見て言った。
「わざわざ金属タイプのじゃなくてもあったでしょ?」
ママがお金かかったって言ってたのこれのことだったんだ。そういえばペットショップにはプラスチックの名札とかもあった。
「あはは~、ごめんなさい。でもこうやって付けてるの見るとかわいいでしょ?」
そう、他のもあったけどこれが一番かわいかった!!
「確かにかわいい…しょうがないわね。でも毎回こんなことばっかりしないでよ。」
「は~い。」
「ママ、ケイちゃんと一緒に暮らすのってそんなにお金かかるの?」
もちろん私のお小遣いなんかじゃ全然足りないぐらいお金かかってるのは知ってる。でもこの名札だってそこまで『高い!!』ってほどじゃなかったのに。
「まあそれなりにはかかるけど、結はそんなこと気にしなくていいのよ。」
「気にするよ、だって私ケイちゃんのママだもん!」
「いいの。お金のことはパパとママに任せなさい。」
「でも…」
「結がケイと一緒にちゃんと育ってくれればいいの。ちゃんとお世話してくれるでしょ?」
「うん!!ちゃんとケイちゃんお世話するね。」
私はもっともっとがんばるんだって思った。
ケイ視点
…付けられてしまった。
いくらこの世界で都合のいいこととはいえ、受け入れてしまった…
『ちり~ん』
我が動くと首の鈴が鳴る。これで我はどこにいてもすぐに認識されてしまうだろう。
「ケイちゃん似合ってるよ。かわいい~」
(敵意や害意がないだけに、無邪気さが胸に刺さる…)
首には赤い首輪と鈴、この姿を見て無邪気に大喜びしている結の言葉が我を一層惨めにさせる…
(奴隷ではないにしろ、これはあんまりではないか…)
我はどこまで落ちていくのだろう…
項垂れている我に結が話しかける。
「これでやっとケイちゃんと遊べるね。」
遊ぶ!?このどん底の気持ちの我に遊ぶと言ったのか!!
「にゃー!にゃにゃー!!(こんな惨めな目に合わせといて何を言う!貴様には人の気持がわからんのか!!)」
あ、猫だった…ってそんなことはどうでもいいわっ!!
言葉が通じないことがこれほど不便だと思ったことは初めてだ!!
「ほら、ケイちゃん。ネズミさんのおもちゃだよ~」
我の気持ちがわからない結はそんなことを言っておもちゃを差し出す。
そのおもちゃは棒の先に糸がついてて糸の先にはネズミのぬいぐるみが付いている。
(なんだこれは?釣り竿にしては短い。)
それに猫(我)と遊ぶためのおもちゃなのだから釣りではないだろう。
「は~い、こうやってぱたぱた~」
結はネズミのぬいぐるみを我の前に置くと、棒を動かしてぬいぐるみを操る。
(なんだ、単にぬいぐるみを動かして遊ぶだけか。)
こんな子供騙しのおもちゃとは思わなかった。そんなもので(…うずっ)我が喜ぶわけなかろうが(…うずうずっ)。
「ほら~、ネズミさんこっちだよ~」
『ぱたぱた~』
だから(…うずうずっ)そんなもので(うずうずっ)我が(うずうずっ!)喜ぶわけなかろうが!!
「にゃー!!」
『ばしんっ!!』
「きゃ~、ケイちゃん今度はこっちだよ~」
気づいたときには我はネズミを必死に追いかけていた。
理由はわからん!!わからんが、本能的な何かが我を掻き立てる!!
「にゃー!!」
『ばしんっ!!』
「今度は上だよ~、ほらジャンプ!」
「にゃにゃー!!」
『ぴょ~ん』
「うわ~、ケイちゃん上手!!今度はこっちだよ~」
「にゃー!!」
我は本能の赴くままにネズミを追いかけるのだった。
猫を飼うにはお金がかかります。
迎える前の準備、迎えてからの育成費やいたずら対策の費用、病院の定期検診や突発的なものもあります。
猫との幸せな生活のためには収入との相談も必要ですよね。