39.再び囚われの大魔王?
加筆修正しました(2022/06/11)
誰視点かを追記しました(2022/11/23)
…閉じ込められた。
ちょっとどうなってるのか調べてただけだったのに閉じ込められた。
ケージに戻されただけではない。扉も閉められてロック用のフックを掛けられてしまった。
「にゃー!!にゃー!!(何をするっ!!不敬であろうがっ!!)」
我はケージの前にいる母親に向かって叫んだ。
「ケイ、コンセントは危ないからいじっちゃダメなの。って言ってもわからないわよねぇ。悪いけど対策するまで大人しくしてなさい。」
母親はすごく困ったような顔をしてそう言うと、どこかへ行ってしまった。
(ちっ、どうやらコンセントとやらにいたずらしてるように見られたらしい。)
それにしても危ないと言っていたな。確かに動力源というのは危険がつきものなのはわかる。単純な動力源の火だって触れば火傷するわけだからな。
(閉じ込められたのは痛手だが、おかげで動力源がわかったぞっ!!)
そう母親は言っていた、「電気」「感電」と。
電気と言われて初めはよくわからなかったが、感電と言われてピンと来た。
我は元の世界でも珍しい雷の魔法を操ることができる。しかし使い慣れるまでは自分にまで雷の影響が出て大変だった。そのときの影響が感電だ。
(つまり電気とは雷のエネルギーということだ。)
金属の鎧に身を包んだ人間どもに雷の魔法を使うと面白いように連鎖して倒れていくのをよく見た。つまり金属は電気を寄せ付け、通しやすいということだろう。
事実、感電していた頃の我は金属類を身体に付けていたが、外してみたら感電しなくなったからな。
(だからテレビから壁に刺す部分には金属を使っていたのだろう。)
我はこんなに早く動力源を知ることができて内心ほくそ笑んでいたのであった。
結視点
「ただいま~、ママ。」
「おかえり、結。」
私は学校が終わると急いで帰ってきた。朝ケイちゃんとほとんど遊べなかったから早くケイちゃんと遊びたい、ってずっと考えてた。
「あれ?ケイちゃんがケージに入ってる。どうしたの?」
リビングに入るとケイちゃんがいないからケージかな?って思ったけど、扉まで閉まってる。
「あぁ、ケイね。あなた達が学校行ってる間にコンセントいじってたのよ。それで危ないからちょっとケージに入ってもらってるの。」
「えっ、ケイちゃんコンセントにいたずらしちゃったの!?怪我とかしてない?」
コンセントは感電するから危ない、って私もちっちゃい頃から言われてきた。
もしかしたら感電しちゃったのかな!?
「すぐに気づいたから感電とかはしてないけど、何か対策しないと危なくてケージから出せないわ。」
「ケイちゃんに何もなかったのはよかったけど、ケージから出せないの?」
(そんなぁ…)
ケージから出せなかったらケイちゃんと遊べない。でもケージから出たらケイちゃんが危ない…
「ケイちゃん頭いいから言ったらわかってくれるよ。」
「そうかもしれないけど、そうじゃなかったら危ないでしょ。」
「そうだけど…」
私はどうすればいいのか全然わからない。
「ただいま~、どうしたの?」
そんなとき、お姉ちゃんが帰ってきた。
「あっ、お姉ちゃん。あのね…」
私はお姉ちゃんにどうしたらいいのか相談した。
「なるほどね。猫がいたずらしちゃうのはしょうがないよね。」
私もケイちゃんがいろんなことに興味持っちゃうのはしょうがないと思う。
「でもケイちゃんが危ないからケージから出しちゃダメって…」
ケイちゃんがケージから出られなかったら一緒に遊べない。それだけじゃなくてずっとケージの中なんてかわいそう!!
「それなら結、一緒に買い物行こっか。」
「買い物?何買うの?」
「ケイがコンセントにいたずらできないようにするものだよ。」
「そんなのあるの?」
「あるよ。ママちょっとお金ちょうだい。」
「いいけど、何買うのよ?」
「コンセントカバーとケーブルカバーだよ。あ、あとついでだから首輪も買っちゃおう。」
「なるほどね。じゃあ二人でお使いお願いね。」
「うん。」
お姉ちゃんやっぱりすごい!!すごく困ったことになったと思ってたのにもう解決しちゃった。
早くケイちゃんをケージから出してあげたいと思って、私はお姉ちゃんと一緒に買い物に出かけた。
いたずら対策をするために一時的にケージに入れることはしょうがないと思います。
なるべく早く対策してあげて、早く自由にさせてあげるのも飼い主の役目だと思います。