表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
38/106

38.動力を探れ

加筆修正しました(2022/06/11)

誰視点かを追記しました(2022/11/23)

ケイ視点


「ケイ、いつまでもテレビ見てないでご飯食べなさい。」

母親はそう言うと、机に置いてある道具をいじった。すると今まで映っていた映像が消えてしまった。

「にゃ、にゃー!!(なっ!せっかくの情報がっ!!)」

テレビと呼ばれる道具から見えていた映像は、この世界の情勢だったり、情報が詰め込まれていた。つまりこの世界を知るためにはテレビを見ていればいいということになる。

こんな貴重な映像を消してしまうなんてとんでもない!!

しかしそんな我の考えを理解できない母親はテレビを消したままどこかへ行ってしまった。

(消されてしまったのは残念だが、おかげでかなりの情報を得ることができた。)

これからも見れる機会はいくらでもあるはずだ。我は食事をしながら今得た情報を整理することにした。


(相変わらず飯は美味いな。ただ同じものばかりでなく変化も欲しいところではあるが…)

テレビから手に入れた情報だと、まずこの世界はやはり我の知る世界とは全く違う世界だった。我が予測した異世界に転生したという仮説はほぼ正しいと確信が持てるものだった。

この国は日本という名前らしい。他にもアメリカとか韓国とか中国とか出てきたが、どれも聞いたことのない国名だった。

(髪の薄いジジイが『我が国日本』とか言ってたしな。おそらくあれがこの国の偉い人間なんだろう。)

そして最初に流れた天気予報に映っていたのが日本という国なのだろう。島国のようだが、このような形の島は我の知る世界にはなかったはずだ。

(天気予報か。どこまで信用できるかはわからんが、天候を予測できるとはどういう仕組みなのか…)

もしほぼ正確に予測できるとしたらどれほど称賛されることか。我が魔族領土でも嵐による水害や風害、日照りや日照不足による農業被害はよくあったものだ。それが事前にわかっていれば対策の仕方もあるというものだ。

(今まで体感したこともだが、技術レベルが根本から違う。この世界はどうなってるのだ?)

どうも人間どもが魔法を使っているようには見えない。我が魔法を中途半端にしか使えないこともこの世界による影響なのか?

(もしやこの世界には魔法の概念がないのか?魔法が存在しない世界なのか?)

もし世界に魔力が存在しないなら我の魔法が中途半端なのは、体内の魔力だけで魔法を使っていて外部に影響を及ぼす魔法が使えない、ということで一応説明がつく。

しかし仮定の話を膨らませてもなんの解決にもならない。ならないが、想定しておくことは重要だろう。

とにかくはっきりとした原因がわかるまでは魔法は使えないものとして考えておかなければならない。魔法が使えるか使えないかの咄嗟の判断をする事態が発生したときの指標になるからな。

我は一旦考えるのをやめると残った飯を食べるのだった。


さて、今日は小娘共が学校とかいうところに出かけたおかげで静かだ。

となればやることは一つ、この世界の調査だ。

実は調査するにあたって目をつけていることがある。それは先程まで見ていたテレビだ。

テレビからは細い線が出ていて、それが壁に繋がっているのを確認している。それを手繰れば動力がわかるのではないか、という仮説だ。

我は早速線が壁に繋がっている部分を調査することにした。

(この線が壁に刺さってるな。引っ張ってみるか。)

我は線を口に咥えると線を引っ張った。少しの抵抗があったが、壁から抜ける感触があった。そのまま引っ張ると線は完全に壁から抜け落ちた。

(先端の金属部分を壁に刺してあったのか。となると、この壁の部分が動力供給先か。)

壁には2つの長細い穴が空いている。ここから動力を供給してるのだろう。

我は穴の部分をよく見たが、穴は細く小さいので先がどうなっているのか暗くて全然わからん。

(とりあえず中がどうなっているのか。指…は太すぎて入らんから、爪でも入れてみるか。)

我は穴の部分を爪でガリガリしてみた。

挿絵(By みてみん)

(くそっ、爪も太くて入らんな。)

『ガリガリッ!ガリガリッ!』

「ちょっとケイ、何してるの!?」

ガリガリしてると母親が慌てた様にやってきて、我を抱え上げた。

「にゃー!!(邪魔するでないっ!!)」

「コンセントは電気通ってて危ないの!!感電しちゃったらどうするの!!」

どうやら危ないことをしてたように見られたらしい。我は抱えられたままケージに連れて行かれた。

「しばらく大人しくしてなさい。」

我はケージに入れられた上に扉を閉められてしまったのだった。

この作品はフィクションです。

作品内に登場するテレビの偉い方は特定の人物を指すものではありません。

また猫がコンセントに興味を示してしまった場合はとても危険です。

何かが起こる前に必ず対策をしましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点]  もう、完全に猫ですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ