37.学校
加筆修正しました(2022/06/11)
誰視点かを追記しました(2022/11/23)
結視点
パパがテレビつけてからケイちゃんはずっと見てる。
猫ちゃんなのにテレビわかるのかな?せっかく朝ご飯用意したのに見向きもしなかった。
「結、そろそろ学校行きなさい。」
ママに言われて時間を見ると、いつも出る時間になってた。
「はーい、行ってきます。ケイちゃんも行ってくるね。」
私はケイちゃんにも声をかけたけど、ケイちゃんはずっとテレビを見てて反応してくれなかった。
なんかテレビにケイちゃんを取られたみたいでつまんない!
(うぅ、ケイちゃんと遊ぶときは絶対テレビつけない!)
私はそんなことを思って家を出たのだった。
「おはよ~、結ちゃん。」
「ゆっこちゃん、おはよ~。」
教室に入ったらゆっこちゃんが声をかけてくれた。
「ねえねえ、あの猫ちゃんどう?」
「ケイちゃん元気にしてるよ。」
「ケイちゃんって名前にしたんだ。」
「うん、かわいいでしょ?私が名付け親なんだよ。」
ケイちゃんって名前は私が考えたからママとしてすっごく誇らしい。
「そうだね。オスなのに『ちゃん』なんだ?」
「うん、かわいいもん。ってあれ?ゆっこちゃんにオスって教えたっけ?」
昨日はいろいろあったし、猫ちゃんの勉強もしてたからゆっこちゃんに連絡してないはずだけど。
「パパが診察してたから教えてくれたんだよ。」
「そういえばそっか。」
動物のお医者さんなんだから性別ぐらいわかって当然だよね。
私とゆっこちゃんが話してると、杏ちゃんと陽菜ちゃんも集まってきた。
「おはよ~、何の話してるの?」
「杏ちゃん、陽菜ちゃん、おはよ~。」
私の友達のゆっこちゃん、杏ちゃん、陽菜ちゃん。私たちはいつも一緒に遊んでる。
ゆっこちゃんはショートカットがよく似合うとても元気な子。見た目で誤解されることあるけど、すっごく頭がいいんだよね。やっぱりお家が動物病院だからかな?だから困ったらつい頼っちゃうんだよね。
杏ちゃんはボリュームある髪を左右で結んでるのがとってもかわいい。それにかわいい物を集めるのが大好きで、色もピンクがお気に入りでとっても女の子って感じ。それに自分のことを『杏奈』って言うのも似合っててかわいいんだよね。
陽菜ちゃんは何ていうのかな?お嬢様っぽい?同い年とは思えないぐらいにとても礼儀正しいし、物腰も柔らかいって言うの?とにかくとっても大人な感じがする。まっすぐでキレイな長い髪も大人っぽく見えてちょっと憧れちゃう。
「あのね、おとといに結ちゃんが溺れてる猫ちゃん助けてね、それで昨日から飼ってるんだよ。」
ゆっこちゃんが簡単に説明してくれる。
こういうとこすごいんだよなぁ。私はこんなに簡単にまとめられる自信ないよ…
「え〜、そうなの?いいなぁ、杏奈も猫ほしいなぁ。」
猫ちゃんかわいいもんね。やっぱり杏ちゃん好きなんだね。
「どんな子なんですか?」
陽菜ちゃんが聞いてくる。陽菜ちゃんは私たちと話すときも言葉遣いがすごく丁寧。
「真っ黒な子猫なんだけど目の色がオッドアイって言うんだっけ?左右で違うんだよ。」
私はケイちゃんの特徴をみんなに教える。やっぱりケイちゃんって言ったらキレイな黒い毛並みと『あの目』だよね。
「え~、すごいです。写真はないんですか?」
「あるよ〜。寝てるところ撮ったから目は見えないけど。」
「「見せて、見せて~」」
「いいよ~」
私は昨日ケイちゃんが寝てる間にスマホで撮った写真をみんなに見せた。
「ふわ〜、丸まってちっちゃくなってる〜。かわいい~。」
「本当に小さくてかわいいですね。まだ生まれてそんなに経ってないんですか?」
「ゆっこちゃんのパパさんが生まれて3ヶ月ぐらいって言ってた。」
「そうなんだ~、いいなぁ。」
みんながケイちゃんの写真見てかわいいって言ってくれて嬉しい。私もケイちゃんかわいくって大好きだもん。
「昨日お風呂に入れてあげたんだけどね、そしたら毛並みがフワフワでモフモフするとすっごく気持ちいいの。」
「いいですね、私もモフりたいです。」
陽菜ちゃんがこんなに興味持ってくれるなんて珍しいな。やっぱりケイちゃんがかわいいからかな?
「それだけじゃなくてね、すっごい頭いいの。呼ぶと応えてくれるし、なんか私が言ってることわかってくれるみたいなの!」
私は嬉しくなってケイちゃんのことをみんなに話した。
「え~、それは大げさじゃない?」
杏ちゃんはそんなこと言うけど、
「あんまり大げさじゃないかも。おとといウチで預かったときもなんかお話わかってるみたいに鳴いたり、話してるとずっとこっち見ててくれたりしたんだよね。」
やっぱりゆっこちゃん家でもそうだったんだ。
「そうでしょ?やっぱケイちゃんは頭いいんだよ!」
「会いたい!今度、遊びに行ってもいい?」
「うん、いいよ。」
「私もいいですか?」
「もちろん、いいよ。ゆっこちゃんも来る?」
「行く、やっぱ気になるもん。じゃあ今週末にみんなで行こう。」
「「うん。」」
みんながケイちゃん好きになってくれたら嬉しいな。私は早く週末になってみんなでケイちゃんと遊びたいな、って思いながらみんなと話してた。





