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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
31/106

31.大魔王様のお食事事情(その1)

加筆修正しました(2022/06/11)

誰視点かを追記しました(2022/11/22)

ケイ視点


結は先程の出来事が相当ショックだったようで我を抱えて泣いている。

仕方ないので我はそのまま大人しくしていた。

(我を死の危険に晒したのはけしからんが、この程度で大魔王である我が死ぬわけないしな。)

いつまでも落ち込まれても鬱陶しくてしょうがないが…

(それに助けてもらった恩もあるしな。)

ここは今までのことを踏まえて不問とするか。それに子供のしたことだし、目くじらを立てるようなことではあるまい。

「ケイちゃん、さっきはホントにごめんね…」

「にゃ~(我に毒を近づけるなどけしからんが、まあ今回は不問としてやろう。)」

「…ごめんね。もう二度と危険な目に合わせないからね…私がんばって勉強するからね…」

(まったく、いつまでも泣いてるのではない。しょうがない、これは昨日の恩賞だぞ。)

しょうがないので我は涙を拭いてやるために手を伸ばす…しかし届かなかった。

(くっ、この身体では届かんとは…しょうがない、我は猫…我は猫…)

『ペロッ』

我は結の涙を舐めた。

「にゃ~(我に涙を拭ってもらえたこと、光栄に思うが良い。)」

「うぅ…ケイちゃん…ありがとう…絶対に幸せにしてあげるからね…」

どうやら我の恩賞が気に入ったようだ。所詮は小娘、この程度の恩賞で喜ぶならチョロいもんだな。


結はしばらく我を抱いて泣いていたが、どうやら落ち着いたようだ。

「ケイちゃんは不思議だね。まるで私の言ったことわかってるみたい。」

まあ当然だ、翻訳してるからな。

(こちらの言葉も翻訳できればもっと楽なのだがな…)

なぜ中途半端な翻訳しかできないのかわからんが、少なくとも言葉が理解できるだけマシというものか…

「結、大丈夫?落ち着いた?」

「あ、ママ。うん、大丈夫。お手伝い途中になっちゃってごめんなさい…」

「それはいいの。これから一緒に気をつけてあげましょう。」

「うん。」

「そろそろケイのご飯の時間よ。結がやる?」

「うん、やりたい!」

(飯!昨日と今朝はスープしか食べてないからな。今日はがっつり食べたいものだ。)

結もすっかりやる気になっているし、病院の小娘の料理も絶品だったし期待はできる。

「それならケイをケージに戻してこっちに来なさい。」

「うん!」

結は我をケージに連れて行くと、キッチンに向かった。


結視点


「あ、結来たね。それじゃケイのご飯の用意しよ。」

お姉ちゃんは私にいつも通りに話しかけてくれる。今はそれが嬉しいって思う。

「お姉ちゃん、さっきはごめんなさい。教えてくれてありがとう。」

パパもママも言ってた、怒るのは私のこと心配してくれてるからって。

だからお姉ちゃんも私のこと思って怒ってくれたんだって。

だったら私もちゃんとそれに応えないと、って思う。ありがとう、って言わなきゃダメだと思う。

「もう謝ってくれたでしょ?いつまでも気にしてるんじゃないの。ケイのためにがんばるんでしょ?だったらくよくよしないの。」

「うん、がんばる!」

これからお手伝いだって勉強だってがんばるもん。ケイちゃんのためならがんばれるもん。

「それじゃ、今日のケイのご飯ね。」

「うぇっとふーどだっけ?」

なんかお姉ちゃんが子供の猫ちゃんのご飯って言ってた気がする。

「そうよ。ちゃんと覚えてて偉いね。」

「えへへ~」

お姉ちゃんが褒めてくれて嬉しい。

「今日からしばらくはウェットフードをあげるよ。これね。」

「猫缶だ~」

よくテレビのCMで見るやつだ。やっぱり猫ちゃんのご飯っていったらこれだよね。

「これはパテタイプのウェットフードね。結、ケイの食器用意して。」

「は~い。お姉ちゃん、パテって何?」

「開けてみればわかるよ。はい、これ。」

お姉ちゃんが食器にご飯を出す。なんだろ?ソーセージの中身みたい?

「これは魚とか肉を細かくして固めたものだよ。猫は肉食だからね。」

「猫ちゃんにお魚は知ってるけど、お肉も?」

猫ちゃんにお魚は有名だもんね、さすがに私も知ってる。でもお肉も食べるんだ?

「猫科の動物は肉を食べるのが普通なんだよ。野良猫だと鳩とかスズメを狩ることもあるし。それにライオンとかも猫科でしょ?」

「そうなんだ!」

そういえばライオンって猫ちゃんの仲間だって動物番組でやってたっけ。確かにテレビで見るライオンは狩りして他の動物食べてる。でもあんなにかわいいノラちゃんも狩りするんだ。

「説明に戻るよ。食器に出したら食べやすいようにフォークとかで軽く崩してあげよう。あんまりぐちゃぐちゃにならないようにね。」

「こんな感じ?」

私はあんまり細かくならないように気をつけてフォークで崩す。

「うん、そのぐらいでいいかな?それじゃ、ケイに持って行ってあげて。あ、お水が足りなくなってたら汲んであげてね。」

「は~い。」

ケイちゃん喜んでくれるかな?私はワクワクしながらご飯を持ってケイちゃんのところへ向かった。

挿絵(By みてみん)

最近のウェットフードは猫缶以外もいろいろありますね。

でもやはりお話としては猫缶を出すのがわかりやすいし、知名度も高いのでそうしています。

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