26.お風呂に入ろう(その2)
加筆修正しました(2022/05/04)
誰視点かを追記しました(2022/11/22)
「それじゃまずはお湯の温度ね。大体36~38度ぐらいがいいんだって。触ってみてちょっとぬるいぐらいだよ。」
「そうなの?」
私が使うときは40度ぐらいなのに。ぬるいお湯だと身体が温まらないんじゃないかな?
「猫は全身に毛が生えて守られてるでしょ?だから人間より皮膚が薄いんだって。温度が高いと火傷しちゃうかもしれないんだよ。」
「そうなんだ。」
ケイちゃんが火傷して痛くなっちゃったら大変。ちゃんと覚えて気をつけなくっちゃ。
「うん、このぐらいの温度かな?結も触ってみて。」
「ほんとだ、ちょっとあったかいぐらいだね。」
「次にやるときまで忘れないようにね。」
「うん!」
私がママになるんだもん、ちゃんと覚える。
「そしたらまずは顔から遠い後ろ足とかお尻の方から濡らしていくんだよ。」
「下から?私がシャワー浴びるときは上からだよ?」
シャワーって上からお湯が出てくるものじゃないの?
「猫は顔が濡れるのをすごく嫌がる子が多いの。だからなるべく顔から遠いところから濡らして慣れさせていかないとシャンプー嫌いになっちゃう子も多いんだって。」
「そうなんだ。」
「ケイがシャンプー嫌いになったら困るでしょ?」
「うん、ちゃんと覚えるよ。」
「シャワーヘッドを押し付けるようにしてゆっくり優しく濡らしていくんだけど、それでもシャワー嫌がるようなら風呂桶にお湯をくんでそれを掬いながら濡らしたり、タオルやスポンジを濡らして拭いてあげるといいよ。まずはシャワーを嫌がらないかやってみましょう。」
「はーい。」
ケイ視点
我は茫然自失となっていた。
(おもらし…我がおもらし…大魔王である我が…)
いくら子猫になったとはいえ我は大魔王である。それなのに小娘一人に抱え上げられ身動きが取れない上におもらしをするなんて…
(ありえぬ…受け入れられぬ…認められぬ…)
そんな状態の我は現在の状況を理解していなかった。
『シャー』
(うをっ、温い!我はまたやってしまったのかっ!)
急に下半身が濡れたので我は気づかぬうちにまたもらしたのかと思い慌てた。
「あっ、ケイちゃんびっくりしちゃった?大丈夫だよ、シャワー怖くないよ。」
周りを見ると舞衣が我にお湯をかけていた。というか、その物体はなんだ?とめどもなくお湯が出てきているではないか。
(ここは風呂場か?ということはこれから我は身体を洗われるということか。)
あんなことをしたのだ、綺麗にしてもらえるのはありがたい。
(それにしても風呂とはお湯を沸かして入るものではないのか?これがどこに繋がっているかはわからんが、そんなに簡単に大量のお湯を出すとは…)
これもこの世界の文明なのだろうか?





