24.トイレ問題再び
画像のチェック漏れで差し替えました(2021/5/17)
加筆修正しました(2022/05/04)
誰視点かを追記しました(2022/11/22)
ケイ視点
「ここがケイちゃんのお部屋だよ。出入りできるように開けておいたからね。」
結は我を抱えて説明している。なるほど牢獄だと思っていたこれはケージという動物を飼うための部屋だったのか。それに開けておいてもらえるのはいざというときにありがたい。
「にゃ~(まあよかろう)」
我が答えると結は嬉しそうに我をケージの前に降ろした。我は周りを確認しつつケージに入った。
(これがベッドか。なかなかのフカフカ感だな、悪くない。それと…これはトイレかっ!)
なにか少し臭いがすると思った。医者が話してた昨日我が使ったトイレ砂が混ざってるからか。
「にゃー!にゃにゃー!(トイレをこんな目立つ場所に置くなっ!これでは丸見えではないかっ!)」
こんな人目のつく場所で用を足せというのかっ!昨日我がどんな思いで使用したと思っているのかっ!
しかも寝る場所の近くに置くなんてけしからん!
それにそろそろトイレに行きたい…というか結構限界なのである。しかし大魔王のプライドに懸けてこんな羞恥プレイを認めるわけにはいかない!!
「あれ?ケイちゃん気に入らないのかな?何がダメなの?」
結はそう言って我を抱きかかえる。
(おい!今持ち上げるでない!あっ、揺らすでない!!)
今刺激を与えられるのは非常にマズい!!我は結の腕から逃れようと藻掻いた。
「もう、暴れちゃダメでしょ?せっかくお姉ちゃんと一緒に作ったんだからワガママ言わないで?」
結は困ったように我に話しかける。が、今困ってるのは我だ。
(これはマズい!非常にマズい!今はプライドとか言ってる場合ではないのか!?)
プライドを守るためにもっと大切なプライドを捨てなければならなくなりそうな状況に我は慌てて結に話しかける。
「にゃ、にゃ~!(わかった、我が悪かったから早く降ろせ!)」
我はとにかくこの場を凌ぐために結に訴えかけた。しかし、我の言葉がわからぬ結は我の両脇を抱えるように持ち上げた。我の身体がだらしなく伸びる。
「ケイちゃん、これからここで生活することになるんだからね。私たちもできるだけケイちゃんが暮らしやすくしてあげるけど、ケイちゃんもあんまりワガママ言ったらダメなんだからね。」
結は我に一生懸命話しかける。しかし我はそれどころではない。
(いかん!マズい!状況が悪化した!身体が伸びてるこの格好は本当にマズい!あ、ダメ…)
我慢が限界に達したそのときだった。
『ちょろろ~』
結に抱えられたまま限界を迎えた我の尿道を温かいものが流れるのを感じた…
「あっ、ケイちゃんがおもらししたっ!」
結は我の粗相を見て大慌てしていた。
(やってしまった…)
「ママー、ぞうきん持ってきて!」
「もぅ、何やってるのよ。早く片づけましょう。ケイをケージに入れときなさい。」
(我死にたい…こんな醜態を晒す大魔王なんて生きてる価値ない…)
「ごめんね、おトイレ行きたかったんだね。」
結が我に何か言っているが、我の耳には届かなかった。