13.お手伝いがんばる
加筆修正しました(2022/05/04)
誰視点かを追記しました(2022/11/22)
結視点
「ただいま~」
「おかえり~。あれ?ママと一緒なんだ。」
私がママの車で一緒に帰ってきたらお姉ちゃんがお出迎えしてくれた。
「うん、迎えに来てくれたの。あのね、猫ちゃん助けてたら遅くなっちゃったから。」
私はお姉ちゃんに猫ちゃんのことを話したくてしょうがなかった。
「なにそれ?面白そう。」
お姉ちゃんも乗ってくれた。
「結、あとにしなさい。それともうすぐパパが帰ってくるから夕飯の準備しなきゃ。舞衣、ちょっと手伝って。」
「はーい」
「ママ、私も手伝う。」
(猫ちゃんを飼うためにお手伝いするって言ったんだもん。ちゃんとやらなきゃね。)
ちょっとでも自分からやるところ見せたら『飼っていい』って言ってくれるかもしれないもんね。
「はいはい。それより先に着替えてきなさい、借り物でしょ?」
そうだった、ゆっこちゃんから借りた服汚さないようにしなきゃだった。
「はーい」
私は部屋着に着替えるために部屋に戻った。
キッチンに行くとママはもう料理を始めていた。
「今日はなに?」
「遅くなっちゃったからカレーね。」
やった、ママのカレー大好き!
「何すればいい?」
「じゃあ玉ねぎの皮剥いて、2個ね。終わったら舞衣に渡して、次はピーラーで人参ね。」
ママとお姉ちゃんは包丁でお肉とじゃがいも切ってる。私はまだ包丁は持たせてもらえない…
「私も切るよ?」
「結はいいの。また時間があるときに包丁の扱い教えてあげるから。」
(私だってできるのに。もう4年生なんだから料理してる友達だっているのに。)
でもワガママ言っちゃダメってこともわかってる。
「はーい…」
私は大人しく玉ねぎの皮むきをしたのだった。
「美味しそう。」
キッチンにカレーのいい匂いが漂っている。
(お腹すいた~)
今日はいろんなことがあったからお腹ペコペコ。私がそんなことを考えていると、
「ただいま~」
(パパが帰ってきた!)
ママが玄関にお出迎えに行こうとしてる。
「私がお出迎えする!」
私がそう言うと、ママはヤレヤレって顔で私を見たけど、
「早くいってらっしゃい。」
ママは私が考えてることわかってるみたいで、優しくそう言ってくれた。私は玄関に急いだ。
「おかえりなさい、パパ。」
「ただいま。結がお出迎えしてくれるなんて珍しいね。ママは?」
いつもはママがするのに私が来たからパパがそう聞いた。
「ご飯の準備してるよ。」
「そうなんだ。だから今日は結なんだね。」
「パパ、カバン持つよ。」
「今日はどうしたんだい?なんだかやけに親切だね。」
パパはちょっと不思議そうに私を見た。
「えっ、なんでもないよ。これから毎日ちゃんとお手伝いするって決めたんだもん。」
(危ない、これからお願いするんだもん。絶対にバレないようにしなきゃだ。)
私はドキドキしながらカバンを持った。





