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大魔王→黒猫  作者: (著)まっつぅ♪ (イラスト)SpringFizz
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1.大魔王復活?

加筆修正しました(2022/05/04)

 -ここは?

目が覚めると我は草むらに横たわっていた。

何故このようなところにいるのか覚えていない。我は何があったのかを思い出そうとした。

(確か我は勇者と戦って…)



『ガキンッ!』

長い戦いで疲労した我は攻撃を避けきれず、勇者の剣が我の角を砕いた。その衝撃で我の身体が大きく揺らいだ。

「大魔王!!これで最後だっ!!」

そのスキを逃すものかと剣を突き出す勇者。長き戦いの末に勇者は我の胸に光り輝く剣を突き刺した。

「ぐはっ!!」

勇者が剣を抜くと、胸から吹き出す大量の血。我は自らの最期であることを悟った。

(また勇者に殺されるというのか…また魔族は人間に届かなかったというのか…)

魔族の安寧のために戦ったというのに、我らの安寧を脅かす人間にまたも敗れたというのか!

死の間際の我が睨みつける勇者もまた立っているのが不思議なほどにボロボロに傷ついていた。ほんの少しの展開の差異で勝敗はどちらにも転んでいただろう。それほどの死闘を我と勇者は演じたということだ。

「…クックック、今我を倒してもまた数百年後に必ず復活してみせよう!そしてそのときこそ我ら魔族の安寧をっ!!」

そう、我は死んでも数百年後に転生する。そして今度こそ人間を恐怖の底に陥れてやる!!

そう考えたところで我の意識は途絶えたのだった。



そしてここで目が覚めたわけか。しかしおかしい、いつもなら数百年は闇の中で彷徨っているのに…

勇者に殺されたのがついさっきのような感覚におそわれる。おそらくそう時間も経っていないのだろう。

「ならば僥倖、すぐにあの忌々しい勇者の息の根を止めてやろう!!」

死の間際に見た勇者はボロボロだったはず。あそこまでの傷がすぐに回復するわけがない。

それに引き換え、我は転生したことにより身体はすこぶる快調だ。今なら勇者を倒すことなど赤子の手をひねるようなものだろう。

勇者さえ倒してしまえば人間どもは混乱するだろう。次の勇者が出てくるまでは我ら魔族が多大なる戦果を上げることができよう。

しかし状況を確認しないとどうしようもない。そもそもここはどこなのだ?

我は逸る気持ちを抑えて周囲を確認した。

(随分大きな草に囲まれてるな。我の背の何倍もあるぞ。)

こんな草が生えているところなんてあっただろうか?

(とにかく周囲を確認するか)

我は目の前の草を手で掻き分けて…手?

挿絵(By みてみん)

「な、なんだ、この真っ黒な毛の生えた手は!!」

我の腕から手には真っ黒な毛がビッシリと生えていた。もちろん元々生えていたわけではない。

(なんだ、我の身体に何が起こっているのだ!?)

混乱しつつとにかく動こうと思い立ち上がっ…コロン。

(なっ、立てないだとっ!!脚はどうなってるのだ!!)

我は動揺しつつ自分の脚を確認した。

(…こういう脚見たことあるな、確か配下のケルベロスがこんな感じだった。)

我の脚はどう見ても二足歩行には不向きな形をしていた、というか獣の脚だった。しかも黒い…

(つまりあれか?魔獣型魔王として転生したということか?)

今までの転生でここまで大きく姿が変わったことはない。だが我もどのようなシステムで転生しているかわからない。もしかしたらこのような例外もあるのだろうか?

(とにかく姿を確認しよう。こんな所に鏡はないだろうが川か湖でもあればなんとかなるだろう。)

我は目の前の大きな草をかき分けて…といっても手でかき分けることができないので、顔で押しのけるように移動した。


草むらを抜けると目の前に大きな川が流れていた。

(これなら今の姿が確認できるな。)

我は川縁から覗き込んだ。

(…猫?)

そう我の姿は黒猫だった…

挿絵(By みてみん)

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